カイコ特区なら就職できる?投資4コマ漫画『カブ・ジェネレーション』

» 2013年10月26日 00時00分 公開
[雄山スズコ,Business Media 誠]

 タイトルでこんな書き方をしておきながら、アベノミクスの目玉の1つ、国家戦略特区での雇用規制緩和は今回は見送られることになりました。ルールを定めて社員を解雇しやすくして、雇用を流動化させて主に外国企業の誘致をはかる目的がありました。しかし、日本の昔ながらの“終身雇用”を揺るがせるわけにはいかないと、厚生労働省などの強い反対を受けたようです。

 日本の大企業は、新卒から定年まで雇い続ける“終身雇用”で日本の高度成長を支えてきました。しかし、今それが重荷になっている企業もあります。追い出し部屋などという恐ろしい言葉を聞いたことのある人も多いでしょう。

 ただ、辞める人がいれば当然、新たに雇われる人が出てきます。解雇が今よりも容易になり雇用が流動化されれば、長い間求職中だった人も職を得ることができるようになるかもしれません。しかし、短期間で辞めさせられてしまう可能性ももちろんあります。自分の好きなときに職に就ける可能性が現在よりも高ければ、育児や留学、自分探し(?)など短期間だけ無職でいたい事情のある人にとっては、とてもうれしい制度になるのかもしれません。メリット・デメリットともにありますね。よく考えなくてはいけないところです。

 この雇用についての面だけをとらえて、国家戦略特区という言葉を“解雇特区”と呼んだのは朝日新聞でした。特区で行われる予定の施策には他にもいろいろあるのですが、なんとなく分かりやすくインパクトがあるために予想以上に広がってしまったようにも感じられます。

 はるかのおじさんは以前から新興国への投資話を持ってきたり謎のエネルギー関連事業を起こそうとしたり、ちょっと不安のある人ではありました。まあ、このおじさんみたいに、何事も文章を読まずに聞きかじって物事を進める人では、もし“カイコ”特区が現実化したとしても就職はちょっと難しいかもしれませんね……。

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編集Hのつぶやき

ちなみに介護特区は検討されているそうです。


著者プロフィール:雄山スズコ

漫画家兼投資家。政治経済ジャンルに主に生息。2004年から投資を始める。中国株、日本株、各種外貨資産などさまざまな金融商品で痛手を負うが、こりずに挑戦中。著書に『政治萌え!〜国会ゆるゆる観察日記』(司書房)、『国会萌えコメディ 政界のまんががこんなにユルいわけがない』(集英社)。ぷら@ほ〜むで『国会萌えコメディ政界のまんががこんなにユルいわけがない』を連載中。公式サイト「桃熊薬局」。著作一覧はこちら


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