コンビニ本部が契約解除をおこなう時:とあるコンビニオーナーの経営談議(3/3 ページ)
とあるコンビニにすごい張り紙がしてあると聞いた。コンビニ本部と加盟店側でトラブルになり、商品の供給、および店舗システムの使用が止められたのだという。今回は、コンビニの本部側からによる契約解除について考えてみる。
商品を勝手に仕入れて販売
もうひとつ、契約解除が過激な方法でおこなわれる可能性があるのは、商品を勝手に仕入れて勝手に販売する場合だ。
店舗独自の商品を売ることは可能だが、フランチャイズシステムに乗せず販売するのは禁止されている。例えば、薬の販売資格を経営者が持っているとする。薬を本部の仕入れシステムに入れずに、勝手に仕入れて勝手に販売するといった場合だ。法律的には何の問題もないが、ピンハネができない本部からすれば「ウチの看板で集客して商売してるのに、分け前寄こさねぇとは不届き千万」ということだろう。
建前上は、チェーンとして信頼ある商品を取り扱いできなくなることを避けるためだ。仮に、変な商品を売ってしまった場合、同一チェーンの他店舗へ迷惑をかける可能性がある。
閉店する他の理由として考えられるのは、経営者が犯罪者になってしまった場合だ。これは経営者所有の物件でない限り、店舗自体がなくなるのではなく、経営者がいなくなるパターンだ。地域での噂を避けるために、一定期間閉店する形を取ることが多い。所属チェーンではなかったが、経営者が人身事故を起こしたあと、店舗はそのまま半年間放置され、その後再オープンした事例を見たことがある。
冒頭に書いた店舗は裁判をするそうなので、店舗としても余程の事由があると推測される。本部側もシステム撤去や商品の供給をストップしたということは、裁判での勝算があってのことだろう。フランチャイズ契約書というものは、良くも悪くも、隙のないものになっているのだ。
日本にコンビニができて50年近く経った。コンビニ本部と店舗間の争いにはさまざまなものがあるが、現在のフランチャイズ契約の内容が、本部と店舗の関係とズレて来ているのかもしれないと、筆者自身も経営しながら思うことがある。本部を利用することで、ある意味お気楽な商売ができるのがフランチャイズシステムの良い部分でもあったが、コンビニの業務が多様化している今、店舗における負担は増えてきている。
そんな中、個人のオーナーが効率的な商売方法を発見し、実施しようと考えるのも分かる。今回もそのような状況だったのではないかと推測している。同じコンビニ経営者としては、この店舗のトラブル内容が気になるところだ。(川乃 もりや)
※この記事は、誠ブログの「とあるコンビニオーナーの経営談議:コンビニ本部が契約解除をおこなう時より転載、編集しています。
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