auとソフトバンク、自社回線MVNOのSIMロック解除なし利用へ前進:SIM通
総務省は、第3回モバイルサービスの提供条件・端末に関するフォローアップ会合を開催しました。「SIMロック解除に関するガイドライン」について検討され、今後はauとソフトバンクの回線を利用するMVNOでも、キャリアが販売した端末をSIMロック解除することなく使えるようになりそうです。
総務省は11月7日、第3回モバイルサービスの提供条件・端末に関するフォローアップ会合を開催しました。ここでの議案として、2015年5月より適用されている「SIMロック解除に関するガイドライン」が取り上げられ、ドコモ、au、ソフトバンクにおける、それぞれ自社回線を利用するMVNOで各キャリアが販売した端末への対応について検討がなされました。
現在、ドコモ回線を利用するMVNOでは、そのままドコモの端末をSIMロック解除せずに使うことができます。一方、au回線およびソフトバンク回線を利用するMVNOでは、それぞれauのVoLTE端末とソフトバンクの端末を使うためにはSIMロック解除が必要です。
ドコモ | au | ソフトバンク | |
---|---|---|---|
解除制限期間 | 基本的に端末購入日から6カ月間 | 端末購入日から180日間 | 端末購入日から180日間 |
自社網を利用するMVNOでの利用可否 | SIMロック解除することなく利用可能 | VoLTE端末については、SIMロック解除をしなければ利用できない | SIMロック解除をしなければ利用できない |
解約後端末および中古端末の取り扱い | 解約から3カ月経過後は解除に応じていない。中古端末は解除に応じていない。 | 店頭であれば解除可能 | 解約から90日経過後は解除に応じていない。中古端末は解除に応じていない。 |
(出展:総務省資料「大手携帯電話事業者のSIMロック解除の対応について」) |
また、同ガイドラインでは、SIMロック解除の運用方針として、端末の割賦代金不払いや短期転売を防止するため、最低限必要な期間SIMロックの解除に応じないことが認められています。そのため、auとソフトバンクの端末購入日から180日間に、auからUQモバイル、ソフトバンクからY!mobileなどへと移行する場合、端末をそのまま使うことはできませんでした。
この点について、今回の会合では、「代金債務の履行がなされていない端末について、ネットワーク側で利用を制限する措置を行っており、自社ネットワークを利用するMVNOでの利用も制限していることを踏まえれば、自社ネットワークを利用するMVNOのサービス利用者による利用を制限するSIMロックを設定することは、必要最小限の措置には該当しないことを明確化すべきである。」としています。
これを受け、今後はauとソフトバンクの回線を利用するMVNOでも、ドコモと同様に、それぞれ対応するキャリアが販売した端末をSIMロック解除することなく使えるようになりそうです。
加えて、総務省では、ユーザーによる通信サービスと端末の自由な選択の観点からは、本来、SIMロックが設定されないことが望ましいとし、SIMロック解除期間の見直しや、SIMロック以外の方策についても検討していく方針です。
(文:SIM通編集部)
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