高感度で画質も上々、ただし操作性にはやや難あり――「Xperia arc SO-01C」:荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(1/3 ページ)
「Xperia arc SO-01C」は、ケータイ向けに開発された裏面照射型CMOSセンサー「Exmor R for mobile」を搭載しているのが特長の1つだ。裏面照射型CMOSセンサーは、薄暗い場所での撮影に強いと言われるが、画質はどの程度向上しているのだろうか。
待望の「Xperia arc」(ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製)が日本でも登場し、NTTドコモから発売された。画面がでかくて薄くて軽くてデザインがいい。そのカッコよさに隠れているが、カメラ機能が大幅にアップしたのである。いや、正しく言うと、カメラ機能じゃなくて、カメラ性能がぐんと上がったのだ。今までのケータイやスマートフォンとはワンランク違うクオリティなのだ。だから、とにもかくにも画質の話から。
裏面照射型CMOSセンサーがスマートフォンにもやってきた
「Xperia arc SO-01C」のカメラ性能はなかなか優秀である。広角で描写力もあり、レンズも悪くないけど、一番のポイントは撮像素子だろう。ソニーが開発し、まずはビデオカメラに、続いてデジカメ(Cyber-shot)に搭載し、2011年には各社が主力モデルに搭載した「裏面照射型CMOSセンサー」がスマートフォンにも採用されたのだ。Xperia arcは、ケータイカメラ用に開発された「Exmor R for mobile」を備えている。
一般的に、CMOSセンサーはCCDより低コストで作れるし低消費電力だが、構造上ノイズが乗りやすく、感度を上げにくい。現在デジタル一眼レフはほとんどがCMOSセンサーだが、あれは撮像素子が十分な大きさを持っている上にコストをかけてノイズを抑える機構を備えており、CCDに比べて読み出しが速く、消費電力が少ないというメリットを生かせるからだ。
コンパクトデジカメやモバイル機器のカメラでは、撮像素子が小さい割に画素数を増やしすぎたので、高感度時の画質にどうしても難があった。そこに出てきたのが「裏面照射型CMOSセンサー」なのだ。これは撮像素子サイズが小さいほど効果が大きい技術。簡単に言えば、撮像素子の表面には、実際に光を受けるフォトダイオード分(画素と思えばいい)と、それが受けた光を処理して転送するための配線部が並んで乗っている。配線部があるため画素面積自体はかなり小さくなる。これがよくない。裏面照射型というのは回路をフォトダイオードの裏側に置くことで、画素面積を広くした撮像素子のこと。感度はざっと2倍になるといわれている。
モバイル機器でそれをいち早く搭載したのが「iPhone 4」。iPhone 4に搭載した裏面照射型CMOSセンサーは、ソニー製ではなくOmniVision社製のものといわれている。で、負けてはいられない本家のソニーが、満を持して投入したのがXperia arcというわけだ。かなり大ざっぱに言うとそんな感じ。CMOSセンサーが1世代進化したと思っていい。
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