スマホ向け決済ソリューション「PayPal Here」が日本で本格展開
スマートフォンに取り付けた専用のカードリーダーを使ってクレジットカードやペイパルでの支払いができる「PayPal Here」が、日本でも本格導入される。カードリーダーが、全国のソフトバンクショップやソフトバンクモバイルの法人営業を通じて販売される。
日本PayPalとソフトバンクモバイルが3月5日、中小規模事業者向けのモバイル決済ソリューション「PayPal Here」を、全国約2700のソフトバンクショップや、ソフトバンクモバイルの法人営業ネットワークなどを通じて本格的に販売開始することを発表した。
PayPal Hereは、スマートフォンに挿入した専用のカードリーダーと無料のアプリを使い、クレジットカードやオンライン決済サービス「ペイパル」アカウントでの支払いができるサービス。これまで初期コストや月額費用などの問題からクレジットカードの導入が難しかった中小店舗にとっても、スマートフォンを使ったクレジット決済が容易になる。現在世界190の国と地域、25の通貨に対応しており、アクティブアカウントは1億2300万を超える。
昨年9月に試験導入して以降、日本でも「数千規模の事業主様がPayPal Hereを利用している」(ソフトバンクモバイル広報部)とのことで、今後も飲食店、屋外の催事、移動販売などでさらに拡大することが期待される。カードリーダーの価格は1200円前後。
PayPal Hereでは、カードリーダーで読み取る決済情報のすべてを暗号化し、全取引にPayPalのセキュリティと不正防止システムが提供される。モバイルアプリはiOSとAndroidの両方をサポートする。iOSはiOS 4.0以降のiPhone、iPad、iPad mini、AndroidはAndroid 2.3以降のスマートフォンで利用できる。
このほか、PayPal Hereの導入事業者向けに、屋外イベントなどでクレジットカード明細を印刷するために、Bluetooth対応のモバイルプリンターを販売する。またソフトバンク・テクノロジーと連携し、PayPal Hereを複数台導入している事業者向けに、取引情報を一覧で表示する「Mobile Perfect SP PayPal Here連携サービス」を提供する。
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