「ARROWSケータイ F-05G」の“ケータイ度”をチェック:どこまで近づいたかな?(2/2 ページ)
ドコモから6月下旬に発売予定の富士通製フィーチャーフォン「ARROWSケータイ F-05G」は、従来のSymbian OSベースから、Androidベースのプラットフォームに移行している。どれだけ“ケータイ”しているのか、従来のiモードケータイと比較してみた。
インターネットの閲覧はどう?
F-07Fでは、携帯電話用サイトを見るための「iモードブラウザ」と、PCサイトを見るための「フルブラウザ」の2種類のWebブラウザが用意されている。それに対し、F-05Gでは、スマホ用Webサイト閲覧に最適化したブラウザのみ搭載している。
スマホ用Webサイトはタッチ操作を前提にしているが、方向キーや左下・右下のシステムキーで快適に操作できる。マウス操作が必要なページでは、方向キーをマウス代わりに使うこともできる。
アプリは追加できないの?
iモードケータイの「iアプリ」は、ゲームはもちろん、実用系アプリも比較的豊富だ。一方、F-05Gは「Androidベースだから、『Google Play』とかからアプリをダウンロードできるでしょ?」と思っている方も多いと思うが、残念ながら、アプリの追加には公式対応していない。スマホのWebページでは、JavaScriptなどを駆使してアプリに近い体験ができる場合もあるので、それが一応の“代替措置”ということになる。
「でも、アプリの方が地図もゲームも何でも快適なのに……」と思うこともある。アプリの追加に対応しないのは、スマホ用Webページである程度代替できることのほかに、ハードキーだけで操作できるAndroidアプリが意外と少ないという事情もある。つまり、アプリを追加できるようにしたところで、起動しても操作できない、というケースが頻発することを見越して追加できなくしているというわけだ。
ただ、アプリを追加する方法が全くないわけではない。Androidスマホ・タブレットと同様に、「提供元不明のアプリ」をインストールする許可を与えれば、Google Playを通さずに配布されているAndroidアプリをインストールすることはできる。ただし、先述のとおり、ハードキーだけで操作できるアプリが少ないうえ、セキュリティ上のリスクもあるため、この方法でのアプリの追加はお勧めしない。
スマホベースならではの機能はないの?
F-05GはAndroidベースのプラットフォームを利用して作られている。それを生かした機能としては「LINE」に対応したことは大きいだろう。
iモードケータイでもLINEはできるが、トーク(テキストチャット)のみで、リアルタイム更新はできないし、スタンプは見ることはできても、使うことはできないなど、制約はかなり多い。F-05GのLINEは、Androidアプリ版をベースとしているため、トークをリアルタイム更新でき、スタンプを使ったり買ったりもらったりでき、「LINE電話」も可能だ。ただし、「LINE GAME」など、追加アプリが必要なサービスは利用できない。
スクリーンショット撮影も、Androidベースならではの機能だ。お気に入り機能ボタンの2番を長押しすることで、表示中の画面を丸ごと保存できる。ただし、ワンセグなど、一部画面は保存できない。
料金プランはどう?
ARROWSケータイ F-05Gは、FOMA(3G)端末である。そのため、通話定額とパケット通信プランを組み合わせる新プラン「カケホーダイ&パケあえる」の「カケホーダイプラン(ケータイ)」と、旧来の「FOMA料金プラン」から選択することができる。国内通話定額を重視するならカケホーダイプラン、無料通話分に魅力を感じるならFOMA料金プラン、といった選択肢が用意されている。
パケット定額サービスは、新プランでは「データパック」「シェアパック」を、FOMA料金プランでは「パケ・ホーダイ フル」などのFOMA用サービスを使うことができる。ただし、iモードケータイとは異なり、バックグラウンド通信を多用するLINEなども使えるため、「パケ・ホーダイ ダブル」や「パケ・ホーダイ ダブル シンプル」といった段階式のパケット定額サービスでは、すぐに上限額に到達する可能性がある。
ネット接続サービスに関しては、iモードからspモードに変更する必要がある。月額料金は300円(税抜)で変わらない。iモードの解約と同時に、spモード加入の手続きを行えば、今までのiモードメールアドレスを、ドコモメールに継承することができる。
ARROWSケータイ F-05Gは、見方によって評価が分かれるフィーチャーフォンだろう。
フィーチャーフォンを使い続けたいが、LINEでのコミュニケーションができずに困っている人には間違いなくお勧めだ。また、ブラウザでスマホ用サイトがうまく見れなくて困っている、という人にもお勧めだ。
一方、2in1やテレビ電話など、事実上iモードケータイ専用のネットワークサービスを使っていたり、おサイフケータイを使っているユーザーには積極的にお勧めすることはできない。
自分のフィーチャーフォンの使い方をよく考えて、購入の是非を検討しよう。
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