SIMフリーの「iPhone SE」に大手キャリアのSIMを挿したらどうなる……?:予想外の結果も(1/3 ページ)
「iPhone SE」は、日本の大手キャリアのLTE・4G/3Gネットワークに幅広く対応している。SIMロックフリー版であれば、どのキャリアのSIMカードを入れても正常に動くはず……。大手キャリアのSIMカードを手当たり次第に入れて検証してみよう。
Appleの「iPhone」シリーズは、販売する国・地域が広いこともあり、全世界で使われている周波数帯(バンド)の多くをカバーしている。3月31日発売の「iPhone SE」も例外ではなく、日本で販売している「A1723」というモデルは、以下の周波数帯に対応している。
- LTE(FD-LTE):Band 1、2、3、4、5、8、12、13、17、18、19、20、25、26、29
- TD-LTE:Band 38、39、40、41
- W-CDMA:850、900、1700、2100、1900、2100MHz
- CDMA2000:800、1700・2100、1900、2100MHz
- TD-SCDMA:1900(F)、2000(A)
- GSM:850、900、1800、1900MHz
筆者はTD-LTEへの対応や対応周波数帯の幅広さに魅力を覚え、SIMロックフリー版を発売当日に購入した。
SIMロックフリー版の最大の魅力は、MVNO(仮想移動体通信事業者)の「格安SIM」を含めて好きなキャリアのSIMカードで使えること。まず、SIMロックフリー版iPhone SEで格安SIMを使い、そこで得られた知見や注意点を記事としてまとめた。
続いてこの記事では、SIMロックフリー版iPhone SEにNTTドコモ、au(KDDIと沖縄セルラー電話)、ソフトバンク、Y!mobileと直接契約したSIMカード(UIMカード、USIMカード)を実際に入れて使う上での注意点を、実際の設定画面などを交えて解説する。
NTTドコモ:「spモード」を契約していればすぐつながる
まず、ドコモのSIMカード(ドコモnanoUIMカード)を入れてみよう。
結論からいうと、Xi(LTE)契約の回線で、かつ「spモード」(月額300円)も契約しているSIMカードを入れれば、ちょっと待つだけで通信可能となる。音声通話やSMS(ショートメッセージ)も特に設定せずに使えるが、「ドコモメール」を使う場合には別途設定が必要となる。
なお、通信インジケーターの表示は、Xiエリアでは「LTE」、FOMAエリアでは「3G」となる。日本国内のキャリアで、LTE表示が見られるのはドコモ(と、ドコモ回線を使うMVNO)だけだ。
「カケホーダイプラン」などの音声通話プランを契約している場合は、VoLTEによる通話も可能だ。「モバイルデータ通信のオプション設定」において、LTEの使用設定が「音声通話およびデータ」になっているかどうか確認しよう。VoLTEの利用には、特に手続きは必要ない。
au:SIMロックフリー版なら「VoLTE対応ICカード」もOK
iPhone SEは、auの「4G LTE」に対応している。auで購入した場合、通常は黒色の「VoLTE非対応」のSIMカード(au Nano ICカード)が交付され、端末からの切り替え操作でVoLTEのオン・オフを切り替えられるようになっている(通常時は「オン」)。
しかし、現在筆者の手元にあるのは銀色の「VoLTE対応」のSIMカード(au Nano ICカード 04)のみ。本来想定している組み合わせではないが、「SIMロックフリー版ならきっと大丈夫」と判断し、とりあえず入れてみる。
するとどうだろう。あっさりと「4G」ピクトが表示され、データ通信ができる状態になった。念のために音声通話やSMSも試してみたが、いずれも正常に利用できた。「テザリングオプション」にも加入しているので、インターネット共有も問題なく利用できた。「ezweb.ne.jp」メールについても、別途設定をすれば送受信できる。
なお、VoLTE対応SIMカードでは「モバイルデータ通信のオプション設定」の設定項目が簡素化され、4Gのオン・オフとローミング設定のみとなる。どうやら、SIMロックフリーのiPhone SEはVoLTE対応SIMカードでの利用“も”想定しているようだ。
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