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» 2007年07月05日 09時28分 公開

「ニフニフ」「グフフ」が示す、ニフティの危機感と変化 (2/2)

[岡田有花,ITmedia]
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 だが公開すると決断した。「新しい一歩を踏み出すためにも、やろうと」。@niftyの正式サービスではなく、「はみだし@nifty」という新コーナーの中に入れ込んだ。「雑誌で言うと別冊付録のような位置づけ。既存サービスとあまりにテイストが異なるので、同じ枠に入れるとユーザーさんがびっくりするだろうから」

「何で?」と驚くほど高アクセス

 ニフニフ動画はユーザーから注目を浴び、アクセスは想定を大きく上回った。「他社さんの検索キーワードランキングの上位にも入ったようで、正直『何で?』と驚いた」。寄せられた意見は賛否両論。「やりすぎだ。節操がない」などという否定的な意見の方が多かったが「ここまでやるとは見直した」といった肯定的な意見もあった。「肯定的な意見は表に出にくいもの。1つ2つでもあるとうれしい」

 ニフニフのヒットは、社内にも強烈なインパクトをもたらしたという。「これまでのニフティではできなかったことが、ゼロスタートの力を借りることで可能になり、うれしいと同時に悔しくもある。なぜああいう企画でここまで興味を持ってもらい、話題を呼べるのか――社内の考え方も変えなくてはならないと、改めて考え直すきっかけになった」

画像 グフフ動画

 ゼロスタートが開発した「はみだし@nifty」の第2弾サービス、「グフフ動画」も好評だ(関連記事参照)。動画を再生しながら、面白いシーンなら「グフフ」ボタンを、つまらないシーンなら「ブー」ボタンを押すというだけのサービス。「私には遊び方が分からない」と津田さんは苦笑するが、ユーザーが遊び方を開発していく様子を興味深く見ているという。

 第3弾サービスもすぐに公開する予定だったが、「ニフニフ」「グフフ」が想定以上に人気のため、まずは両サービスの改良に力を割き、第3弾は落ち着いてから公開する計画だ。

各サービスをつなぐ「ビデオ共有」「アバウトミー」

 社内で開発したサービスも、ここ数カ月で立て続けに発表している。動画共有サービス「ビデオ共有」(関連記事参照)や、プロフィールサービス「アバウトミー」(関連記事参照)、ユーザーがやりたいことを公表しあう「したい!やりたい」(関連記事参照)などで、ユーザーがコンテンツを発信するCGM型サービスだ。

画像 @nifty動画共有

 それぞれ単体での収益化よりも、@niftyの既存サービスをつなぐハブとしての役割を想定して開発したという。例えば動画共有なら「@niftyトラベル」の旅行ビデオをアップできるようにしたり、アバウトミーなら、@niftyのユーザー参加型サービスを横串でつなげるようにする、といった具合だ。

 「単品のサービス展開はベンチャー企業もできるが、ニフティの強みは既存サービスを生かした複合体。mixiと同じことをやっても仕方がないが、ニフティはmixiがないものを持っている」

 サービスの壁を越え、同じ趣味・嗜好を持つ「『フォーラム』のような」ユーザーコミュニティーを構築するのが最終的な狙いだ。ビジネス面では、それぞれのコミュニティーに合った広告を出稿したり、デジタルアイテムを販売するといっ展開を想定しているが「まだサービスを始めたばかりでビジネス化は検討段階。下期以降にめどを立てていきたい」。

携帯にも参入 若い世代を狙う

 携帯電話向けサービスにも注力している。「ネット端末は、PCだけではない。なぜいままで携帯をやっていなかったのか――という反省のもとに始めた」。昨年後半からスポーツ、災害、芸能、パチンコ情報サイトなどをスタート。携帯コンテンツはすでに強力なサプライヤーがひしめいているため「穴を狙った」といい、それぞれ、他にはない独自コンテンツをそろえることでアクセスを伸ばしてきた。

画像 デコゲットのサイトは、10代女性を狙ったポップなデザインだ

 10代女性をターゲットにした無料デコメール素材提供サービス「デコゲット」もこのほど始めた(関連記事参照)。女子高生などターゲット世代に綿密なリサーチを行って構築したサービスで、設計からネーミングまで現場に任せた。「『デコゲット』という名前もいいかどうか分からなかったが、年配の幹部が議論しても仕方がない」

 携帯サービスは“ニフティユーザー”の年齢層を一気に引き下げようという試みでもある。「わたしたちは10代向けサービスをほとんど作ったことがなかった。20年前のパソコン通信から使ってくださっているユーザーさんは、当時20〜30代が中心だからいまは40〜50代。気付いたら年齢層が上がっていた」。パソコン通信から培ってきたブランドやISPのインフラと関係ない携帯電話という新世界で、次世代のユーザー層を獲得しようと試みる。

 「『変わります』と言うだけなら簡単だが、実態を示さないと意味がない」――「ニフニフ」「グフフ」「デコゲット」など、“ニフティらしくない”サービスを展開することで、同社は老舗ISPの殻を破り、新たなステージに向かおうとしている。

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