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マイケル・デルCEO、「超薄型PC」「スマートフォン」「クラウド」語る

» 2009年03月24日 16時47分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 来日中の米Dellのマイケル・デルCEOは3月24日、都内で会見し、先日発売した超薄型PC「Adamo」やNetBook、スマートフォン、クラウドなどについて語った。

Adamoは「Mac Book Air登場より前に企画」 「スマートフォンも投入」

画像 マイケル・デルCEO

 同社は「Inspiron Mini 9」「同10」などミニノートPCを投入しているほか、世界最薄をうたうフラグシップ機「Adamo」を発売するなど、小型軽量なモバイルノート市場で攻勢をかけている。

 Adamoは高級感あるデザインで、厚さは16.4ミリとMacBook Air(厚さ19.4ミリ)より薄い。統一ブランドで周辺機器も販売するなどAppleを意識しているようにも映るが「Adamoは他社製品が出る以前、2年前から計画していた」という。20万5000円と高価だが「デザイナーズウォッチを購入するような、ファッション意識の高い人」が購入すると期待している。

 今後もモバイルノートに注力していく。「薄型軽量マシンはこれからのトレンドになり、NetBook市場は継続的に成長する」とみて、画面サイズ10インチのモバイルノートを日本市場に投入する計画だ。PCは「魅力的な差別化が重要」とし、3D表示機能やタッチスクリーンを備えた製品の投入も示唆。3Gネットワークが利用できる製品の展開も続ける。

 スマートフォン発売もうわさされている。デルCEOは「モバイル機器のアプリや環境など、エコシステムは興味深い。小型ディスプレイを搭載したスマートフォンやモバイルネット機器などを出していく」と話したが、具体的な商品計画や、モバイル関連企業の買収のうわさについてはコメントを避けた。

 日本を含むアジア・太平洋地域での2009年1月期の売上高は、前期比21%増と好調。日本のコンシューマー市場でDell製品のシェアは高くないが「日本は成長分野」とみて注力していく。

x86サーバで攻勢 「プライベートクラウド」拡大へ

 世界経済が厳しい状況にある中、エンタープライズ向け製品で顧客の買い控えが進んでいる。同社は効率性・生産性の高い商品やサービスで需要を喚起していくという。低コストなx86サーバで攻勢をかけるほか、仮想化技術に注力する。

 「当社がサーバ市場で今ほど攻めている時期はなかった。サーバ市場はかつてIBMが席巻していたが、Dellのサーバはコスト削減に貢献している。複雑な独自仕様を採用するのではなく、標準化が重要なポイントだ」(IBMのSun買収、実現すれば「Dellにはチャンス」 マイケル・デルCEO

 クラウド化と呼ばれる動きは「コンシューマーで始まった」と指摘。Yahoo!やGoogle、Baidu、FacebookなどがDellのサーバやストレージを利用してクラウド的なサービスを提供しているという。

 今後は、セキュリティや信頼性が要求される金融機関や大企業にも、閉じたネットワークにクラウド的サービスを置く「プライベートクラウド」が広がっていくとみる。「VMWareと協力し、サーバ仮想化技術もいかしてあらゆる企業にプライベートクラウドを提供したい」

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