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» 2009年04月09日 07時00分 公開

シャープ、コスト2000億円削減 “地産地消”の新モデルで海外展開へ

08年度の業績がさらに悪化する見通しになったシャープは、役員報酬の最大5割カットなど総額2000億円のコスト削減を行う方針を明らかに。今後、海外では“地産地消”の新モデルによる生産拠点作りを進める。

[ITmedia]
photo 片山社長

 シャープは4月8日、2009年度(10年3月期)の総コストを2000億円削減する方針を明らかにした。同日、08年度の連結営業損益が600億円の赤字(前回予想は300億円の赤字)に悪化する見通しを発表しており、コストカットは「08年度下期の状況が続いても黒字を確保できる体制作り」を目指す。

 コスト削減の内訳は、人件費と減価償却費など固定費が1000億円、広告宣伝費など変動費が1000億円。役員報酬は実質年収で50〜30%、管理職は年収20〜10%をカットするなどし、人件費は約450億円を削減する。

 08年度の連結業績は、売上高が前回予想から500億円減の2兆8500億円、経常損益が同400億円悪化して900億円の赤字、最終損益は同300億円悪化して1300億円になる見通し。

 業績見通しの修正は、液晶テレビ・パネルの流通在庫圧縮や液晶生産拠点の再編、株式評価損の増加などが原因だ。

 流通在庫は昨年9月時点で米国3.3カ月分・日本2.1カ月分だったが、米国は2月時点で0.7カ月、日本は3月時点で0.8カ月分にまで圧縮した。営業損益に300億円のマイナスインパクトはあったが、片山幹雄社長は「春以降、高性能な新製品の投入がスムーズに進められる」としている。10月には堺市の新鋭液晶パネル工場が稼働する予定だ(「市場が動き始めた」 シャープ堺工場10月稼働 液晶需要回復で前倒し)。

“地産地消”の新ビジネスモデルで海外展開

 コストカットなどによる当面の業績改善対策の一方、“地産地消”の新ビジネスモデルによる海外展開を進めていく。海外の現地有力企業に出資するなどして提携し、現地に共同で生産拠点を運営して現地向けの商品を生産していくモデルで、巨額の設備投資を自前で用意して減価償却で回収していく従来モデルからの転換となる。

 新モデルは、投資額の最小化による投資効率の最大化に加え、ブロック経済化への対応や、輸出メーカーが苦しんできた為替リスクの低減が狙いだ。片山社長は「為替の安定化に期待しないでおくということ」と話し、太陽電池や液晶パネルなどで新モデルを推進していく考えだ。

 ただ、最先端ラインを持つマザー工場は国内に堅持する。「シャープのコアは生産技術だ。人件費や国の補助金などでハンディキャップがある中、生産技術で戦ってきた。パートナーと組めば違った強みがあるはず」。亀山第1工場の設備は中国企業などへの売却などによる有効活用を検討していることを明らかにした。

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