「今年10月にリリース予定のWindows 7はUSBメモリでも提供されるかもしれない」とのうわさに対し、米Microsoftはノーコメントの姿勢を貫いている。だがアナリストからは、Netbookと呼ばれるカテゴリの小型ノートPCにWindows 7をインストールしたいと考えているユーザーにとってそうした動きは歓迎すべきものだとの指摘も挙がっている。最近Netbookは広く人気を集めており、DellやHewlett-Packard(HP)など数多くのメーカーが製造を手掛けている。
Microsoftが実際USBメモリ版Windows 7の販売を計画しているのだとすれば、同社はそのニュースをひた隠しにしていることになる。米CNETは6月26日、匿名の関係筋からの情報として、Microsoftがそうした選択肢を検討中であることを最初に報じたが、Microsoftはこの記事の内容を認めていない。
Microsoftの広報担当者はeWEEKの取材に応じ、「Windows 7の販売に関しては、25日に発表した小売り用パッケージについて以外、特に発表することはない」と語った。同社は今週、Windows 7のディスクを環境に配慮したエコ仕様のボックスで出荷すると発表したところだ。
アナリストの中には、必要最低限の機能だけを装備したWindows 7 StarterエディションをUSBメモリに移植するというのは理にかなった有効な選択肢だと考える向きもいる。
Gartnerのアナリスト、マイケル・シルバー氏は取材に応じ、次のように語った。「この選択肢には2つの理由が考えられる。1つは、すべてのNetbookにDVDドライブが搭載されているわけではないため、Netbookユーザーにアップグレードを促したいのであれば、これが唯一の方法だということ。もう1つは、NetbookはRAMが少ないため、USBメモリはあとからReadyBoostでパフォーマンスを強化するのにも使えるだろうという点だ」
ReadyBoostはUSBドライブなどのポータブルメモリデバイスをディスクキャッシュとして用いる機能で、Windows VistaとWindows 7の両方に搭載されている。
USBメモリ版が提供されれば、確かにNetbookを簡単にWindows 7にアップグレードできることになる。ただしそうしたドライブのコストは通常のディスクよりも高くつく可能性もある。Microsoftは今年4月、Netbookの約96%にWindowsが採用されていると発表した。Netbookは目下PC市場において最も急速に成長中のセグメントとして広く認められている。
VistaやWindows XPのStarterエディションとは異なり、Windows 7のStarterエディションでは1台のPCで同時に3つ以上のアプリケーションを実行できるようになるため、Netbookの生産性の向上も期待できる。
MicrosoftのWindowsコミュニケーションマネジャーを務めるブランドン・ルブラン氏は今年5月のブログ投稿に、「Netbookでは必ずしもWindows 7のStarterエディションを実行しなければならないというわけではない」と書いている。
「Windows 7 StarterをNetbook向けのエディションと考える必要はない。ほとんどのNetbookはWindows 7のどのエディションでも実行できる。現に多くのβ版ユーザーは小型ノートPCにWindows 7 Ultimateをインストールしており、そうしたユーザーからは非常に好意的なフィードバックが寄せられている」と同氏。
ただしWindows 7 Starterでは、Windows 7の上位エディションに搭載される機能の一部が省かれている。例えば、Aero Glass、一部のパーソナライズ機能、ユーザー間の切り替え、DVD再生、Remote Media Streamingなどだ。またStarterエディションでは、Windows 7でWindows XP向けのプログラムを実行するためのXPモードも提供されない。
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