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Appleが対処すべきApp Storeの問題点(1/2 ページ)

» 2009年12月02日 07時46分 公開
[Don Reisinger,eWEEK]
eWEEK

 特定のデバイスを評価するに当たっては、それを取り巻く環境から切り離した状態で行うわけにはいかない。製品を構成しているのはハードウェアとソフトウェアだけではないからだ。そのことが特に顕著になるのは、Appleの携帯電話iPhoneを評価する場合だ。この製品はモバイル市場に革命を引き起こし、携帯電話に対するコンシューマーの見方を変えた。そこには少なからずApp Storeの貢献がある。

 AppleのApp Storeは、この分野で最も成功したモバイルアプリストアであることは間違いない。同ストアでは現在、医薬、ビジネス、ゲーム、教育など幅広い分野にわたる10万本以上のアプリが提供されている。素晴らしいコンテンツもたくさんある。だが完ぺきではない。このストアはユーザーをいら立たせ、開発者を悩ませる問題を幾つか抱えている。これらの問題を列挙してみよう。

1. 質より量?

 App Storeでは、そこで提供されているアプリケーションの数の多さが、これらのアプリケーションの品質を圧倒しているように思える。ストアには優れたアプリがないと言っているのではないが(実際、優れたアプリもある)、独創性と有用性に欠ける多数のアプリがいとも簡単に登録されているのだ。さらに問題なのは、Appleがストアに登録されたアプリの数を宣伝していることだ。Appleに言いたいのは、われわれは量ではなく、より高い品質を求めているということだ。

2. 企業ユーザーを忘れないで

 App Storeは最近、大きな前進を遂げたが、企業向けアプリケーションはまだ少な過ぎる。これは主として、Appleのユーザーベースがコンシューマーを主体とすることによるものだが、App Storeには有用な企業向けアプリケーションに対するニーズが存在することも確かだ。

3. 開発者も大切

 売り上げも大事かもしれないが、開発者を大切にする必要があることもAppleは認識すべきだ。残念ながら、同社はまだその認識に至っていないようだ。そのため、ほかのプラットフォームにくら替えしている開発者もいる。OSを提供する企業にとっては、開発者との意志疎通を図ることが必要不可欠であることをAppleは忘れてはならない。

4. アプリの承認プロセスを明朗に

 App Storeの最大の問題の1つは、開発者には自分のアプリケーションがストアへの登録を承認されるかどうか知るすべがないことだ。アプリケーションを開発しても、それが承認されるかどうかは、文字通り五分五分の可能性なのだ。この状況は変える必要がある。Appleは、App Storeの承認プロセスを改善して透明性を高めることを来年の優先課題とすべきだ。開発者にとっては、結果をある程度予測できることが必要なのだ。

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