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BIGLOBE、Android搭載情報端末を発売へ アプリ販売する独自ストアも

» 2009年12月17日 18時28分 公開
[小笠原由依,ITmedia]
photo Camangi製フォトフレーム型情報端末

 NECビッグローブは12月17日、Androidを搭載した情報端末とアプリケーションを組み合わせて提供する新ビジネスをスタートすると発表した。来年中に第1弾デバイスを発売し、Android端末向けアプリケーションを販売する独自ストア「andronavi」も1月7日にオープンする。2012年度末に端末ユーザー累計20万人を目指す。

 来年発売を予定しているのは、7インチタッチパネルを搭載したフォトフレーム型端末。バッテリー駆動で持ち運びが可能で、内蔵Wi-Fiのほか、USB接続により3GやWiMAX通信にも対応。自動的に通信回線を選択するオートコネクト機能を採用し、家でも出先でも接続回線を意識せずに利用できるという。

 PCとデータを同期する「BIGLOBEゲート」やライフログアプリ「NumRecorder」など、同社のサービスもアプリにして内蔵。電子書籍や、動画閲覧用アプリなども開発中だ。


photo NEC製フォトフレーム型情報端末のモック

 発売を予定しているのは2モデル。台湾でVoIPハードウェアの開発などを行うCamangi製と、高性能CPUにより動画再生に強いというNEC製だ。Camangi製モデルは、来年2月からモニターテストを始め、その後3〜4万円で販売する予定だ。「いろいろな人がさまざまな端末をだして競争しあうことでいい製品が生まれる」(同社の飯塚久夫社長)と、他社からの端末提供にも期待している。

 andronaviは、法人・個人を問わずアプリケーションやコンテンツを募って販売する。アプリケーションのレビュー・比較記事の掲載やレーティング機能を備え、「利用者にとって必要なアプリケーションを探しやすい環境を整える」(同社の古関義幸常務)という。課金パターンにも多様性を持たせ、1回の利用で○○円、1週間の利用で○○円など、回数や期間に制限を持たせる代わりに割安にする、といった販売方法も検討している。

 Androidアプリは現在、米Googleが運営する「Android Market」で販売されているが、これまでPC・携帯電話向けにパートナーと連携してコンテンツ配信してきたノウハウを活用できるとみて独自ストアの運営に乗り出す。翻訳に力を入れ、海外のアプリケーションを日本に紹介したり、日本のアニメやコミックを海外に紹介するといったことも予定している。

 同社は今年7月、個人向けクラウド「パーソナルクラウド」を強化する戦略を発表。誰もが自分のニーズに合わせて、クラウド上のサービスを自在に使える――というビジョンで、ライフログサービスなどを順次投入してきた。

 「携帯電話は画面が小さく、PCは持ち運びがしにくいという制約がある」(飯塚社長)。新事業では、携帯電話に比べて画面が大きく、PCに比べて持ち運びがしやすい情報端末と、PCや携帯電話向けサービスの提供で培ったコンテンツ最適化ノウハウを組み合わせ、収益拡大を図っていく。同社がMVNOとして提供している3G回線などとのセット売りや、定額制の公衆無線LANサービスと組み合わせての販売も予定している。

 収益は機器売り上げ、andronaviの販売手数料、MVNO通信料から得る予定で、12年度に年間100億円の売り上げを目指す。andronaviは、コンテンツを2012年度末に累計10万本、他社端末を含めた有料アプリユーザー250万人を目標としている。

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