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昆虫グミをバレンタインに贈ってみる実験乙女が行くぜ

» 2010年02月12日 17時25分 公開
[小笠原由依,ITmedia]
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photo グミックス マザーセンター

 男子が好きなものといえば昆虫だよね!――そんな安易な考えから記者は、クッキングトイ「グミックス マザーセンター」を使ってバレンタインデー用のお菓子を作ることにした。なぜか到着が遅れているまだ見ぬ王子はきっと気に入ってくれるはずだ。

 世の中は今、バレンタイン一色。女子は愛を告白し、カップルどもはチョコを片手にいちゃいちゃする。あぁ、腹立たしい。記者の王子はいったいどこで渋滞にはまっているのだろうか。しかし、王子がどこでわたしを見ているか分からない。お菓子でも作って家庭的な側面をアピールしておこう。

 グミックスは、ジュースとゼラチンを湯せんしながら混ぜ合わせたグミ液を使って、カブトムシやオオクワガタといった生き物の形をしたグミを作れるおもちゃ。メガハウスが2月20日に発売する男の子向けの「食王(ショッキング)TOY」で、リアルな昆虫グミを作れるのが売りだ。発売前の製品を一足先にお借りして、昆虫が招くハッピーバレンタインを夢見ることにした。


早速作って見た

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 グミックスのセットはシンプル。グミ液を作ったり、型に流し込むといった作業は、330(幅)×245(高さ)×120(奥行き)ミリの黒い台の上で行う。グミ液を溶かすための湯せんプールや、グミを流し込む造形型、ビーカーやピンセットは同梱されている。

 マザーセンターのセットでは、カブトムシ、オオクワガタ、ダンゴムシ、アメリカザリガニの4種類を作れる(ダンゴムシとザリガニは昆虫ではないが)。虫が嫌いな記者としては考えるだけでぞっとするが、男子と言えば昆虫、愛する人のためあえて昆虫しばりで作る。この美しい自己犠牲の精神、ほれないわけがない。待ってろよ、王子!

 作り方は簡単だ。昆虫の色を決めるジュースを選んでビーカーに入れ、砂糖を加える。ビーカーは湯せんプールに入れ、すこしずつゼラチンを加える。ゼラチンとジュースの混ざったグミ液ができたら、型に流して冷蔵庫で15分待つ。

 ビーカーには量を示す目盛りが付いており、わざわざ軽量カップを使う必要がない。湯せんプールにはふたが付いているため、間違えて手を突っ込んでやけどするようなこともなさそうだ。何より、「軽量スプーンではかる時は、すりきりにしてはかろう!」といった具合に、説明書に細かく作り方が書かれているため、料理下手の記者でも安心だ。

 さっそく着色にはコーラを使い、カブトムシ型のグミを作った。上下2枚に分かれた型にグミ液を少しずつ注ぐ。足や角が細かいため、注ぐのが結構難しい。あとで形を整えればいいため、少しくらいなら型からはみ出てもいいらしい。面倒になった記者はアバウトに液を流し込み、冷蔵庫に入れた。足のデザインが細かいカブトムシやクワガタは本体と足を別々に作成し、固まった後に接着する。

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 冷蔵庫から出したカブトムシは、コーラで作ったせいか透明度が高くあまりリアルさはない。しかし、腹部の作りなどは凝っていて、いい具合に気持ち悪い。型から外した後は、はみ出たグミ(バリと言えばいいのか)を切り取る。パーツの周りには取り外しやすくするための溝が作られているが、足などは細かく作り込まれているためきれいに取り外すのが難しい。不器用なりに頑張ってみたものの、角や足がいくつかもげた。切り取った足は、残ったグミ液を使って本体に貼り付けていく。

 なんとか完成した5センチ程度のカブトムシだが、角や足がもげて頼りない。……うん、縄張り争いを勝ち抜いてきた歴戦の勇者ということにしよう。その後もカブトムシとクワガタを何体か作ったが、不器用なせいか1つとして完璧なものは作れなかった。

 反面、ダンゴムシ作りは簡単だった。開いた状態のもの、丸まったもの、丸まりかけたものの3種類を1つの型で作ることができる。細かいパーツがなく、液を作って流しこむだけ。型からはがすときに細かく再現された大量の足に気付き、背中がぞわぞわとした。口に運ぶなんてことは想像もしたくないが、その簡単さから、ダンゴムシばかり繰り返し作ってしまった。

photo 比較的うまく作れたカブトムシ。角が折れたが、グミ液で付け直した
photo カブトムシの裏側

photo ダンゴムシ
photo ヘラクレスオオカブトの幼虫

 リアルさでいうと、オプションの拡張キットで作れる「ヘラクレスオオカブトの幼虫」が我ながら秀逸なできだ。乳酸飲料を使ってグミ液をすこしゆるめに作り、ぷるぷるなボディを再現、ココアパウダーを中に入れることで、幼虫の体から透けて見える土を再現した。リアル過ぎて手に持つのも嫌だ……。

思わぬ反応

 本当に昆虫で良かったのだろうか――リアルにできあがった幼虫やダンゴムシを前に記者は不安になった。王子に見せる前にまずは社内で反応を見たい。「バレンタイン用にお菓子作ったんです!」完成した昆虫を持参し、意気揚々と社内を周った。

 気になる反応は「えー? 何!? うわっ!!!」「まじでやめて」「お前への愛がないから食べられない」「バイオテロ!」「来週出張行くので、体調崩せないんです」と、ひどい。まさかこんなに不評とは……。

 誰かに毒味をしてほしかったのに、誰も食べてくれない。食べようと手を触れて「ぎゃっ!」と手を離す社員もいる始末だ。「例えば、ふつう泥とか食わないじゃん? 同様にそれも食わない」と食べ物扱いをしてくれない人も。味はおいしいかもしれないのに……。

 社内を周るうちに、食べてくれる奇特な人も現れた。小さく比較的たべやすいダンゴムシが人気だ。何でも食べると社内で評判の先輩ですら、カブトムシの幼虫にはひるむ。

 結果的には2人が食べてくれた。むげに扱われ続け傷付いた記者は、一瞬「この人がわたしの王子様なのではないか」という錯覚を覚えた。「味がしない」「薄い」と、味についての反応は微妙。砂糖を入れる量が少なかったのだろうか。

 量を作ったわけではないが、大量に余ったので残りは自分で食べた。グミというよりはゼリーに近いぶよぶよとした食感で、ジュース味は風味程度しかしないし見た目も気持ち悪い。食べるのがつらい。幼虫に至っては顔まで再現されているため、どうしても食べられそうにない。

 最終的には目をつぶって食べた。中に入れたココアパウダーが口の中で広がり水分を奪う。ぷるぷると食感はいいが、やっぱり味はしない。

 次に作るときはせめて味くらいおいしくしたい。チョコレートシロップを使って作ったダンゴムシは比較的甘くおいしかったので、味の濃いジュースやシロップを使うほうがいいのだろう。

 男性社員の受けは悪かった昆虫グミだが、子持ちのお父さんからは「息子が喜びそう!」と、評判がよかった。バレンタインデーのギフトとしてはおすすめできないが、家族のコミュニケーションツールにはぴったりなのかもしれない。

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