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「触れる立体映像」を実現する新技術、産総研が開発

» 2010年08月26日 07時00分 公開
[ITmedia]

 「指で触れる立体映像」を実現する新技術を産業技術総合研究所(産総研)が開発した。指先にフィードバックデバイスを装着し、映像に触れた“感触”を伝える仕組みで、iPhoneのようにマルチタッチを使って映像を変形する操作もできる。ゲーム開発者向けカンファレンス「CEDEC 2010」(8月31日〜9月2日)で展示する予定。

photo 「触れる立体テレビ」

 開発したシステムは「i3Space」(アイ・キューブ・スペース)。指先に装着するフィードバックデバイスと、複数のカメラによるトラッカーシステム、操作に応じた立体映像などをリアルタイムに生成して表示するシステムで構成する。

 デバイスは、物体を触った際の感触(触覚)と、硬さの感触(力覚)を再現する触力覚フィードバック機能を持つ。これにマーカーが付いており、複数カメラによるトラッカーシステムで位置を検知する。指にデバイスを装着し、立体映像に対して“触る”動作をすると、ユーザーの動作や指の位置、立体の物理モデルから、指に伝わる触力覚をシミュレーション。フィードバックデバイスで感覚を再現することで、実際に映像に触れている感覚を体験できる仕組みだ。

 指を使ってつまんだりすることで映像を直感的に変形・操作できる3次元マルチタッチも可能だ。指の動きは6方向から同時に測定するため、手のひらに隠れることなく指の位置を検出できるようになっている。

photo システム構成

 ゲーム用インタフェースへの応用や、CADデータを実際に触って力覚で確認しながら変形具合を調整し、3次元形状をデザインするといったことも可能になるとしている。

 開発は産総研が単独で行い、ベンチャーとして事業化を目指す計画。小型化・高機能化を進め、スマートフォンなどへの対応や、メーカーとの共同開発を進めていきたい考えだ。

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