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ウォークマンがiPod逆転の背景 「競争の状況、変わってきた」

» 2010年09月09日 07時00分 公開
[岡田有花,ITmedia]
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 調査会社BCNによると、携帯オーディオ市場の販売台数シェアで8月、初めてソニー(47.8%)がApple(44.0%)を上回った。iPodは高価格帯ではウォークマンを上回っているが、需要の一部がiPhoneに流れている上、低価格モデルではウォークマンが圧倒。iPod新モデル待ちの買い控えもあったとみられるが、「競争の状況は以前と変わってきた」(BCNの道越一郎アナリスト)という。

 07年〜08年はソニーのシェアが20〜30%前後、Appleが45〜60%前後と圧倒的な差が付いていたが、09年ごろから「Appleは下りトレンド、ソニーは上りトレンドになってきた」。ソニーは販売台数・金額とも前年同月比で伸び続けている一方、Appleは09年以降、大きく前年割れすることも多く「苦戦している」。

 ソニーは特に低価格モデルで躍進。1万円未満のモデルでは8月のシェアは68.6%を占め、シェア逆転の要因に。同価格帯の「iPod shuffle」が「ボタンがなく評判が悪かった」上、「ライトユーザーは(iPod機能の付いた)iPhoneに流れている」こともあり、Appleのシェアは8.4%にとどまっている。

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 1万〜1万5000円未満ではそれぞれ約5割のシェアを握って拮抗。1万5000円以上ではAppleのシェアが大きく、6〜8割程度をAppleが握っている。「ソニーとAppleのラインアップの力の入れ方の違いがシェアに現れている」という。

 両社のシェアが逆転した8月は、iPod新製品発表を翌月に控えた「特殊な時期」。9月には「Appleが再逆転するだろう」と道越アナリストは予測する。ただ「Appleとソニーのシェアが接近しているという大きな流れは変わらない。競争の状況は以前と変わってきた」とみている。

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