米Appleは「app store」という名称を商標登録したがっている。だが、もしMicrosoftがその方針に法的に阻止することができれば、登録はかなわないだろう。
そもそもAppleが商標登録を申請したのは2008年7月。App Storeを立ち上げてから何週間とたたないうちのことだった。App Storeは、iPhoneやiPadといったApple製モバイル端末向けに何十万種類ものアプリを提供しており、その規模はGoogleやMicrosoft、Research In Motion(RIM)などの競合他社が提供する同様のサービスを上回っている。
だが、どうやらMicrosoftは抵抗しようとしているようだ。IT系のオンラインメディアでは目下、Microsoftが提出した最新の異議申し立てに関するニュースが広く取り上げられている。
Microsoftが1月10日付で米特許商標局(USPTO)の商標審判部に提出した、略式判決を求める申し立てには、次のように記されている。「MicrosoftはAPP STOREに関するAppleの第77/525433号の申請に異議を唱える。app storeはアプリケーションを扱う小売店のサービスを表す総称であり、そうしたストアのアプリケーションを検索したりダウンロードしたりといった付属的なサービスに対して商標登録できるものではない」
さらにMicrosoftの担当弁護士は次のように主張している。「また、app storeという言い回しが、メディアや消費者のほか、Appleの競合他社、そしてAppleの創業者兼CEOであるスティーブ・ジョブス氏によっても、アプリケーションを扱うオンラインストアの総称として一般的に使われていることは、紛れもない事実だ。ゆえに、Appleはこの名称を排他的に囲い込むすべきではない」
USPTOのWebサイトでは、Appleによる商標登録申請の「現在の状態」を示す欄には、「商標審判部で異議申し立てを審理中」と記されている。
AppleとVerizon Wirelessは1月11日、ニューヨークでプレスイベントを開催し、VerizonのCDMAネットワークで利用できるiPhoneを発表した。これにより、米国で長年続いてきたAT&TによるiPhoneの独占販売は終了、今後はiPhoneへの乗り換え率が高まり、さらには、AppleのApp Store向けにアプリを開発するサードパーティー開発者の数が増えることも予想される。
一方、Microsoftが昨秋リリースしたWindows Phone 7のオンラインマーケットプレースでは既に5500種類のアプリが提供されており、その規模は日々拡大中だ。iPhoneやGoogle Android端末とは異なり、Windows Phone 7スマートフォンではWebコンテンツとアプリは「Games」や「People」といったテーマ別の「ハブ」に統合されている。MicrosoftのCEO、スティーブ・バルマー氏は1月5日、ラスベガスで開催された家電見本市Consumer Electronics Show(CES)で基調講演を行い、「当社の顧客の半数以上が今日もまた、新しいアプリケーションをダウンロードした」と語った。
最近のMicrosoftはモバイル分野での攻勢を強めているにもかかわらず、AppleのiOSやAndroidを相手にかなりの苦戦を強いられている。iOSとAndroidはそれぞれ、この数年間で既に端末を何百万台も売り上げている。Microsoftによれば、メーカーが小売店に出荷したWindows Phone 7端末の台数は150万台に達したというが、ただし、そのうち実際に何台が消費者の手に渡っているのかについてはまだ不明だ。
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