Windowsマシンの節電策を公開するMSサイト
「OS起動時に消費電力最大」「最も有効な節電策はディスプレイの輝度調整」──日本マイクロソフトは5月10日、Windows搭載PCの消費電力を検証し、効果的な節電の方法をWebサイトで公開した。節電の設定を一括で行うプログラムの配布も始めた。
今夏、電力不足が見込まれる東京電力と東北電力エリアに加え、浜岡原子力発電所の停止で中部電力エリアも節電が求められそうな状況。同社は財団法人・電力中央研究所の協力でWindows搭載パソコンの消費電力を検証し、以下の結果をまとめた。
- 最新のPCは、5年前に発売されたPCに比べて平均約53%の節電効果。ノートPCは同じ年に発売されたデスクトップPCに比べて平均約66%の節電効果
- PCの電力量はOS起動時に多く消費しており、OS起動時はスリープ状態からの復帰時に比べて3倍以上の電力量を消費している
- 電源OFF時の待機電力とスリープOFF時の待機電力との間には約0.5ワットの差しかない。従って、1時間45分(XP搭載PCの場合)以内にPCを再度使用する場合は、電源オフではなくスリープ(Windows XPではスタンバイ)を推奨
- PC利用時の最も有効な節電策はディスプレイの輝度調整。画面の明るさを100%から40%に変更することで平均23%の電力削減が可能である
- 上記から、Windows搭載PCの利用では、スリープ/スタンバイの有効活用と、利用時のディスプレイ輝度調節による節電を行うことで1台当たり約30%、16ワット分の節電効果がある
- 検証には使ったPCはWindows 7が2010年モデル、Windows Vistaが08年モデル、Windows XPが06年モデル
- PCとディスプレイに計測器を取り付けて測定
- PC起動時やアプリケーション利用時の消費電力を1秒間隔で測定
同社が推奨する節電のためWindowsの設定は、
- 「画面の明るさ」:40%(Windows 7、Windows VistaのノートPCのみ)
- PC不使用時の「ディスプレイを暗くする」までの時間:2分(Windows 7ノートPCのみ)
- PC不使用時の「ディスプレイの電源を切る」までの時間:5分
- PC不使用時の「コンピューターをスリープ状態にする」までの時間:15分
など。
一般ユーザーなど向けに、こうした設定を一括で行えるプログラムをサイトで配布している。対応OSはWindows 7/Windows Vista/XP。Active Directoryのグループポリシーやシステム管理製品などで管理された企業内PC、PCメーカー各社が提供している電源管理機能があらかじめ組み込まれたPCは対象外。
電力中央研究所 システム技術研究所の中野幸夫上席研究員によると、PCの消費電力を削減すると排熱もその分減るため、冷房に必要な電力の削減にもつながる。PCの消費電力を1キロワット削減すれば、冷房用の電力を0.3ワット削減できるという。
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