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人間そっくりロボットの石黒教授、ロボットに合わせて美容整形も

» 2011年06月14日 19時45分 公開
[ITmedia]
photo 3体のGeminoidとそのモデルが集まった「Geminoid Summit」。中央が石黒教授(本人はどちらだろうか)

 人間そっくりの超リアルなロボット(アンドロイド)として知られる「Geminoid」の生みの親、石黒浩 大阪大学大学院教授は、自身をモデルにしたロボットに合わせるため、自らの美容整形も試みているという。

 Geminoidは「人の持つ存在感はどこからやってくるのか?」という疑問を探求するために、まばたきや肌の質感など、細部まで徹底的にリアルに作られている。“そこに人がいる”とはどういうことなのか、人間と間違うほどリアルなロボットによって「人の存在」という「従来は哲学者の思惟でのみ可能であった研究を、初めて客観的・定量的に行うことを可能にした」というものだ。

 石黒教授は1月、「人のアイデンティティとは何かと思い、最近、美容整形をしてみた」とTwitterでツイートした。石黒教授から話を聞いた山中俊治 慶応義塾大学教授によると「石黒さん本人のシミやたるみを取って、石黒さんの分身であるジェミノイドと同じ状態に保つ」のが目的なのだという。

 石黒教授が出演したNHK番組の放送時にこのことが話題になり、石黒教授は「人間とロボットどちらを近づけるのがいいのか…?」と、ロボットに合わせて美容整形を試みていることを明かしていた。

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 石黒教授は「化粧と着衣と美容整形とダイエットと…、差は何か?本質的な違いがあるか?」と問いかける。最近のGeminoidの改修では「今度はアンドロイドを自分に近づけた。多少若くなったか」というツイート。その後には「多少やり過ぎたかも。アイデンティティを維持するのが大変になる」とも。

 Geminoidの3作目「Geminoid DK」のモデルになった心理学者ヘンリク・シャルフ氏は、自分そっくりのアンドロイドについて「このような何か極端な思い切ったことをすれば、自分の日常生活におけるテクノロジーの役割について、人々に考えてもらうことができる」と語っていた。

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