眼鏡店「JINS」を展開するジェイアイエヌは、長時間のPC作業に従事する人の眼を守るという特殊レンズを採用した「JINS PC」と、ドライアイを防ぐという「JINS Moisture」を10月初旬に発売する。それぞれ3990円。
JINS PCはイタリアのINTERCASTが開発した特殊レンズを採用し、網膜に悪影響を与えるとされる波長380ナノ〜450ナノメートルの青色光を約55%カットする。
LEDバックライトの採用が進み、青色成分の割合が多い光源の増加が眼に悪影響をもたらすという指摘がある。南青山アイクリニック東京の井出武副医院長によると、青色光は散乱しやすく、回折によるぼけや色収差などで眼精疲労の原因になるほか、体内時計の乱れも引き起こす可能性があるという。
南青山アイクリニック東京で、被験者に同眼鏡をかけてもらって実験したところ、一定の疲労軽減傾向が確認できたという。日本マイクロソフトは8月から、社内のプログラマーなどに同眼鏡を配布する予定だ。実験にはナナオが液晶ディスプレイを提供した。
カラーは16色。度付きレンズへの交換はできない。
JINS Moistureは、国内で2200万人が悩んでいるとも言われるドライアイの防止を目指して開発。フレームの側面に着脱式のウォーターポケットがあり、ここに水を入れておくことで水分が蒸発。目の周囲を覆うようなフレーム形状と合わせ、眼の表面に適度なうるおいを与えるという。
ドライアイ問題に詳しい慶応義塾大学医学部の坪田一男教授によると、VDT(Visual Display Terminal)作業では9割の人が眼の疲労を訴え、疲労の6割はドライアイによるものだという。人は普通、1分間に20回程度まばたきするが、モニターを見つめがちなVDT作業中は1分間に7回程度に減ってしまうといい、作業時間、経験年数が増えるほどドライアイ率は悪化するという。
坪田教授によると、まばたきしないで目を開いていられる時間が11秒以上なら正常だが、6〜10秒だとドライアイの疑いがあり、5秒以下はドライアイの疑いが濃厚だという。
同眼鏡はフレームも含め紫外線カット素材を採用し、また超軽量フレームとすることで長時間の使用でも疲れにくくしているという。カラーは4色。度付きレンズへの交換が可能だ。
同社は機能性眼鏡に力を入れていく方針で、スポーツ向けの眼鏡も発売する。サイクリング用の「JINS Cycle」は、サイクリング時の視界を考慮した形状と通気性の高い軽量フレームにUVカットレンズを採用し、価格は7990円。プラス1万2000円で度付きレンズにもできる。
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