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スマホでも利用可能なmicroSD型認証装置、日立製作所が開発

» 2012年04月23日 15時59分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 日立製作所は4月23日、microSD型の認証装置「KeyMobileMSD」を発表した。25日から販売を開始し、価格は1万7800円(機器本体、ドライバ、PKI利用などのソフトウェア込み)となる。

 新製品は、内部にICチップとフラッシュメモリを搭載。電子証明書の保存やPINの設定が可能で、PCやスマートフォン、タブレット端末に挿入(端末によりリーダ/ライタやアダプタが必要)して、認証装置として利用する。フラッシュメモリ部にデータの保存や書き込みも可能となっている。

写真左下のmicroSDカードが「KeyMobileMSD」。対応スロットが無い場合はアダプタに挿入して利用する

 想定される利用シーンは、外出先や自宅などからオフィス内のシステムへリモートアクセスやオンラインバンキングなどのサービスでのユーザー認証。IDやパスワードに加え、同製品に格納された電子証明書やPINを併用することで、ユーザー認証でのセキュリティレベルを高められ、第三者によるなりすましを抑止できるという。万が一製品を紛失しても、電子証明書を無効にするなどの措置を取ることで悪用を防げるとしている。

 同社はこれまでもKeyMobile製品として、ICカードやSDカードと読み取り装置を使うタイプを製品化してきた。今回の製品は、企業でのスマートフォンやタブレット端末での利用拡大などを受けて小型化をさらに進めたものとなる。

 会見した情報・通信システム社 セキュリティ・トレーサビリティ事業部 グローバルプロダクト本部長の九野伸氏は、「小型で専用装置の持ち歩きが不要など利便性を高めつつ、金融機関でも使われる高いセキュリティレベルを実現した」と話す。

「KeyMobileMSD」の内部を説明する九野氏

 発売当初、同製品はWindows 7 32ビット版のPCでのみ利用できるが、第2四半期中にAndroid OS、第3四半期以降にWindows 8にも対応する予定。また、スマートフォンやタブレット、PCをBluetoothなどで接続して、KeyMobileMSDを挿入した機器でその他の端末でも認証が行える「KeyMobileフォン(仮称)」の提供も計画する。2014年度末までに関連商材を含め200億円の売り上げを見込んでいる。

KeyMobileMSDを挿入した機器がハードウェアトークンとなり、無線経由でほかの機器の認証装置に早変わりする

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