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「アダルトサイトよりネット広告が危険」――Cisco報告書

» 2013年02月01日 07時47分 公開
[鈴木聖子,ITmedia]

 ネット上の危険はアダルトや偽医薬品、ギャンブルなどのサイトに潜んでいると思われがちだが、実は大手検索エンジン、通販サイト、ソーシャルメディアなど、大多数のユーザーが利用するサイトの方が危険は大きい――。米Cisco Systemsが1月30日に発表した2013年版のセキュリティ動向報告書でそんな実態を浮き彫りにした。

 同社の調査では、アダルトなど一般的に危険と思われているサイトと、大多数のユーザーが日常的に利用するサイトについて、悪質コンテンツ配信の実態を比較した。その結果、海賊版ソフトウェアサイトとの比較では、ネット通販サイトは21倍、検索エンジンは27倍の確率で、悪質コンテンツが潜んでいることが分かった。

 また、ネット広告に悪質コンテンツが潜んでいる確率は、アダルトサイトに比べて182倍だった。

 報告書ではまた、「ジェネレーションY」と呼ばれる若者世代が企業のセキュリティ対策に及ぼす影響にもスポットを当てた。世界18カ国で行った意識調査によれば、この世代の91%は「プライバシーの時代は終わった」という認識を持ち、ネット上の交流のために個人情報を犠牲にすることもいとわない実態が判明。個人情報を通販サイトに提供することにも抵抗が少ないという。

 この世代はソーシャルメディアや携帯メールを頻繁にチェックしており、こうしたライフスタイルが職場に持ち込まれることによって、企業はかつて経験したことのない規模でセキュリティ上の課題への対応を迫られると報告書は指摘している。

 ネット利用に関する意識調査はCiscoが米調査会社InsightExpressに委託して、大学生および18〜30歳の世代と各業界のIT専門家を対象に実施。米国や日本など18カ国で計3600万人から回答を得た。

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