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「人生、どうなるか分からない」 出発点はお絵かき掲示板 41歳で単行本デビューした主婦「るなツー」さん(4/4 ページ)

» 2013年12月13日 12時19分 公開
[岡田有花,ITmedia]
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 彼女の作品はコンペに勝ち残り、月刊漫画誌「ビッグガンガン」に掲載された。地元の書店に、自分の漫画が載った雑誌が売っている。「自分の同人誌は同人イベントに行かないと手に取ってもらえないので、商業誌は近所の買い物のついでに寄れる場所に置いてあって、感慨深いものがありました」

 翌年、今度は小学館の編集者から声がかかり、携帯漫画サイト「モバMAN」に連載漫画を描いた。11月末に発売された「女子のてにをは」は、この連載をまとめた単行本だ。昭和の女子高生の日常を上品なタッチでコミカルに描いた作品。兵庫県で過ごした高校時代、素朴にかわいかった同級生の女の子たちを思い出しながら描いたという。


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 モバMANの原稿料は、病気療養中だった愛猫「ルナ」の医療費に費やした。ルナはこの9月に18歳で亡くなったが、「自分で稼いだお金で医療費を出してやれたのが、本当にありがたかった」。

人生、どうなるか分からないから

 絵を描き始める前は、何かをしたいという欲もなかった。夫のすすめで描き始め、出会った人たちに支えられ、デジタルの恩恵を受けて描き続けることができた。「いい巡り合わせがあって……恵まれているんだなと思います」

 「もっとうまくなりたい」と、3年ほど前からお絵描き教室に通っている。自分よりはるかに年上の人たちが、強い向上心で描いている姿を見るにつけ、「いくつになっても、今やりたいことをできることがありがたいし、やれるならやらなきゃ」という思いになる。

 この10年を振り返って思う。「まさか、結婚して絵を描くことになるとは思わなかった。人生はどうなるか分からない」

 「何がきっかけで人生どう転ぶか分からないので、描けるうちは、楽しみながら描けたらいいなと。来年どうなるかも分からへん。誰でも、どんなことが起きるか分からないから、悲観もせず、楽観もせずにいたいですね」

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