逮捕・起訴された片山被告をめぐっては長期間の拘留に批判が高まり、取り調べの可視化を求める声も高まっていた。
片山さんとも話したが、取り調べ可視化が実現し、証拠に基づいて本人に質問していくということがあった場合、それで負けました、ゲームオーバーと、そういうことになったかもしれない。彼にこうした形でインタビューを続けて行けば、かなり早い段階で音を上げさせることはできたかもしれない。
彼が本当にやっているのであれば、どこかで自分の間違いに気付かせるのが弁護士の仕事だと思っているので、その意味では警察とそんなに違いはないはずだが、そこが不可視では難しい。有効なカードがあるなら効果的に使って容疑を認めさせてくださいという思いはあったが、逆に不可視なことで片山さんは楽になってしまった。
私が「片山さんはこう言っている」と言うと、カウンターのように捜査当局からのリークによる報道が出てくる。
片山さんに聞いてみるとうまくすり抜けられると。起訴されても、決定的な証拠がないまま裁判が始まってしまった。捜査当局は自分の持っている手の内を誇大に見せてしまった。捜査官はフェアプレーの精神で臨むべきなのに、旧態依然の姿勢だったので、私たちもそこを突くと、あたかも弁護側が勝っているかのように見えた。
スマホから映像を復元したというが、片山さんは絶対ないという。この事件にもし意味があるとすれば、なんでこうなったのか、メディアのみなさんの報道の検証も含めてすることがあっていいかもしれない。
=おわり
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