くだんの憶豊科技にも行ってみた。発見したのが土曜日で、その日に出発しなければならなかったため、残念ながらその日のうちに憶豊科技を訪ねるしかない。
同社は中心地から離れた工場が集う「開発区」にあり、憶豊科技の建物はかわの電気のWebページに掲載されていた写真の通りの建物だった。入口には、外国企業との合資であることを示した「中外合資」という文字と、農村で家電を普及させるために政府が補助金を出す「家電下郷」認可ロゴ、それに「液晶電視制造基地」という文字と、川野電気(川野は漢字だった)の名前もあった。
家電下郷認可に関してはチェックしたところ、確かに政府から一部テレビ製品について認可を受けている。同社の家電下郷の説明によれば、同社は農村向けの家電下郷に力を入れ、年間50万台の生産、メーカー別では第10位となっている。日本語サイトに書かれた年間数百万台の生産量に比べてだいぶ控えめだ。
受付で、「日本OPC株式会社の宮内社長か川口副社長はいないか?」とたずねると、「いるが今は社内にいない。日本の会社はよくわからない」との回答だった(中文サイトで元大手家電メーカー出身の川口副社長の写真を確認することができる)。現在のテレビ製品のラインアップを見るところ「業界をリードしたブランド」というほどにはテレビに力が入っていないように思えるが、同社の門には工場内作業員と倉庫内作業員と女性テスター(いずれも経験不問)を募集する張り紙があった。月給はそれぞれ2000元(約3万2000円)前後と、広東省に拠点をおくメイソウの店長よりも安いようだ。
中文サイトを見ると、スタッフは品質部と生産部あわせて100人超、全体で235人いるとしているが、かわの電気の最新テレビラインアップは少なくなっている。憶豊科技はというと、テレビ分野で北朝鮮との科学技術交流会にも出席してはいるが、薬や機械の卸売りなど、テレビ事業から離れてるようだ。かわの電気が長年培ったテレビ技術が絶えるならばさみしい限りだが……。
もっとも中国人にサイトを見せて「どう?」と聞いてみたり、中国のネット上の評判を見ても、「日本の会社に成りすましてだますなんてなんて会社だ。こんなの引っかかるわけがない」とご立腹であるが。
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