理化学研究所は、「STAP現象」の再現実験に7月1日から小保方晴子研究ユニットリーダーを参加させると発表した。「科学的事実を明らかにするため」としており、実験時に映像を記録するなど透明性を確保して行う。4月以降に指摘された、論文の新たな疑義についての予備調査も始めた。
相澤慎一・実験総括責任者と丹羽仁史・研究実施責任者の指揮監督のもと、小保方氏を実験に参加させる。小保方氏が実験する際は、研究所が指名した人が立ち会ったり映像を記録するなど、透明性を確保する。参加は11月30日までの予定。
小保方氏は「理事長からSTAP現象の検証実験へ参加するようにとの指示を受けた。厳重な管理のもとで実験の機会を頂戴できたことに心より感謝し、誰もが納得がいく形でSTAP現象・STAP細胞の存在を実証するために最大限の努力する」などとコメントした。実験の進ちょくは理研が発表するとし、「公式発表まで実験に専心させていただきたい」としている。
理研は「小保方氏の健康状態や安全に対する配慮が必要」などを理由として、報道関係者に対し、小保方氏への取材を控えてほしいと呼び掛けている。
理研の調査委員会は、STAP論文に関する多数の疑義のうち6点を調査し、うち2点を研究不正と認定し、3月31日に最終報告書を発表しているが、4月以降に指摘された疑義についても予備調査を開始したという。これに伴い、2点の研究不正に基づいて進められてきた懲戒委員会における審査を一旦停止。小保方氏などの処分の検討を、調査終了まで保留する。
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