iPS細胞を使った世界初の臨床研究を行っている理研CDB(発生再生科学総合研究センター)の高橋政代プロジェクトリーダーが7月2日、自身のTwitterで、「臨床研究の中止も含めて検討する」と明らかにした。「STAP細胞」問題をめぐる理研の対応に不信感を示し、「患者さんも現場もとても落ち着ける環境ではない」「このような危険な状況では責任が持てない」としている。
高橋プロジェクトリーダーは、加齢に伴って目が見えにくくなる眼科疾患の一つ「滲出型(しんしゅつがた)加齢黄斑変性」を、患者のiPS細胞から作製した「網膜色素上皮シート」を網膜に移植することで治療するプロジェクトの責任者を務めている。
Twitterでは7月1日、STAP細胞の再現実験に小保方晴子氏を参加させるなどの理研の対応について批判的なツイートをRTした上で、「理研の倫理観にもう耐えられない」とツイートした。
2日、治験中止を提案するユーザーに応える形で、治験がまだ始まっていない患者の治療は「中止も含めて検討する」、すでに始めている患者については、「本人が不安でやめたい場合は本人の意思で中止できる。次回確認する予定」と投稿した。
その理由として「理研のPC購入問題の報道のように痛くもない腹を探られる環境であること、患者さんも現場もとても落ち着ける環境ではないこと」「このような状況でする臨床研究ではない。万全を期すべき臨床のリスク管理としてこのような危険な状況では責任が持てない」などとしている。
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