東京・渋谷近辺のものづくり施設6拠点が連携し、「デジタルファブリケーション」(デジタルデータをベースにしたものづくり)の広がりや市場の拡大を目指すコミュニティー「TOKYO FABBERS」が7月28日に本格的に発足した。
「FabCafe」「FabLab Shibuya」「Makers' Base」「HappyPrinters」「coromoza」「IID 世田谷ものづくり学校」の6拠点がコラボ。(1)拠点同士のつながりを強め、相互利用やコラボレーションを促進、(2)日本のファブリケーションの現状を国内外に情報発信、(3)ものづくりに親しむ“FABBERS”を増やしていくための人材育成やワークショップの展開――の3つを大きな目的に掲げる。
連携施設は、レーザーカッターや3Dプリンタなどの機材をそろえたデジタルファブリケーション施設から、印刷工房、ファッションを軸としたコワーキングスペース、イベントスペースなどさまざま。これまでデジタル技術と親和性が薄かったアナログな分野も含み、新たなものづくりの市場を産みたいという。
東京都が主催する「東京文化発信プロジェクト」の1つである「アートポイント計画」の一環として実施される事業。森司ディレクターは「2020年のオリンピックも見据え、渋谷から全国や世界へ、個人のものづくりを支援するカルチャーやコミュニティーがあるというメッセージを発信していきたい」と話す。
今後、毎月2拠点が共同企画する「TOKYO FABBERS' FORUM(仮)」を開催しコミュニティー形成を促進。11月には、より大規模なイベント「TOKYO FABBERS' FESTIVAL(仮)」も予定する。参画拠点・団体は増えていく可能性もあるという。
FabCafeの川井敏昌COOは「競合というよりはファブリケーション市場を盛り上げていく仲間というイメージ。それぞれの立場でやっていることをより効果的に伝えるためにネットワークを作るのは大事なこと。ものづくり施設の増加とクリエイターの増加が伴っていないので、まずは作る人を増やしたい。ものづくりの楽しさに触れる入り口をもっと多様にできたら」と期待を話している。
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