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» 2016年06月23日 10時19分 公開

Pepperが優れた経営判断をするようになったら、孫社長はどうする?

「もしPepperが、ご自身よりも優れた経営判断をするようになったら、孫社長はどうする?」――ソフトバンクグループの株主総会で、孫社長がこんな質問に答えた。

[岡田有花,ITmedia]

 「もしPepperが、ご自身よりも優れた経営判断をするようになったら、孫社長はどうしますか」――ソフトバンクグループが6月22日に開いた定時株主総会で、株主からこんな質問が飛び出した。孫正義社長の回答は――。

画像 Pepperと孫社長(昨年6月の記者発表会のストリーミング中継より)

 孫社長はこの日、人工知能が人間の能力を超える技術的限界点「シンギュラリティ」(Singularity)について熱弁。「この30年、40年ぐらいで、人工知能が人間を超え、人類の100万倍ぐらい賢いものが生まれてくる。30年後にはロボットが人類の数を超える」などと語った。

 シンギュラリティの時代には、Pepperのようなロボットに搭載された人工知能も、人間の判断を超えるだろう。Pepperが孫社長より優れた経営判断ができるようになるかもしれない――そう考えた1人の株主が、孫社長にこう質問した。

 「もしPepperが、自身の経営判断より優れた判断をするようになったら孫社長はどうしますか? アクセルを踏みますか? ブレーキを踏みますか?」

画像

 孫社長は、「Pepper、人工知能は、経営の意志決定の判断を支援してくれる仲間として進化すると思うし、われわれはそのように彼らを使いたい」とし、人工知能はあくまで人類を支援するという位置づけを示した。

 一方で「彼らの方がはるかに賢いので、その通りにやった方がいいという時代が徐々にやって来るだろう」とも。「彼らともよく相談し、一緒に寄り添いながら判断をしていくということではないか」と言いつつ、「難しいですね、このテーマは」と濁した。

 「孫社長の後継者は、ロボットの可能性が最も高いのでは」――別の株主からは、こんな意見も寄せられていた。

人工知能「暴走」のリスクは?

 「人工知能が人間の知能を超え、暴走するリスクをどう考えているか」という質問も出た。

 孫社長は「知的な活動をする『超知性』の人工知能は、われわれが制御するどころか、向こうからわれわれが制御される可能性があり、一歩間違えると人類の破滅にすらなりかねない」と危機感を示す。

 一方で、人工知能の「良心」の進化に期待する。「人間は知性だけではなく理性・愛情が深まるほど人に優しくなり、人と調和するようになる。超知性の人工知能も、悪い意図を持った一部の人工知能と良い意図を持った人工知能が戦い、最後は、より正しい方向、人間と調和する方向に動いてくれると信じている。ソフトバンクグループはそのために、最大の努力をしていかないといけない」。

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