ここ最近、急速に注目を集めているWebサービス「Mastodon」(マストドン)。ITmediaでも4月13日に紹介記事を掲載しましたが、この1週間でも状況は目まぐるしく変化しています。
「結局、マストドンって何なの?」というそもそもの疑問も含めて、この1週間の主な出来事を改めて振り返っていきます。
13日に掲載した記事では、「マストドンとは何なのか」について紹介しました。オープンソースで誰でも自由にインスタンス(サーバ)を作れるのが特徴で、4月19日時点で1000以上のインスタンスと、36万以上のユーザーが存在します(サーバを作るのに技術的知識は必要)。
しばしば「分散型Twitter」と言われますが、その特徴を表すなら掲示板とTwitterを合わせたようなサービスともいえます。
大学院生のnullkal(ぬるかる)さんが立てた「mstdn.jp」、イラスト投稿SNSのピクシブによる「Pawoo.net」などのインスタンスが多くのユーザーを集めていますが、他にも「技術者向け」「東京在住者向け」「ゲーム愛好者向け」など、さまざまなインスタンスが日々立ち上がっています。
何かしらの共通点や目的を元に集まった人々が交流する様は、往年の掲示板やチャットをほうふつとさせます。自分に合った村(インスタンス)を探し、そこに居住し、村人(ユーザー)と交流する、時には他の村人とも――それがマストドンの醍醐味(だいごみ)の1つかもしれません。
14日には、4万人以上のユーザーを抱えていたmstdn.jpの管理人ぬるかるさんが、サーバをさくらのクラウドに移転することを発表しました。
予告通り、アカウント情報を含めた全データがリセットされましたが、リセット後もユーザー数は順調に伸び、翌15日21時前には3万人を突破。19日時点では6万7000人を超えています。
15日には、ピクシブが運営する Pawoo.netにおける 2次元ロリエロ画像が問題視され、Mastodon作者のオイゲン・ロックさんもその問題についてトゥートしました。
今は、画像投稿時に 「投稿する画像がエッチなコンテンツの場合、必ずNSFWマークをつけてください」という警告文が出る仕様になっています。 「NSFW」は「Not suitable for work」の略で、「職場では見てはいけない」という意味です。
それぞれの村(インスタンス)には、管理者が決めた村のルールがあります。 しかし、それぞれのインスタンスがつながるFederated(連合)タイムラインでは、他の村の投稿も流れてきます。自分の村で認めていない予期せぬトゥートが紛れ込む可能性があり、また同様の問題が起きる可能性も残っています。
インスタンスは「誰でも作れる」とうたいつつも、実際にサーバを立てるには技術的知識が必要になります。そんな中、さくらインターネットは18日にマストドンのスタートアップスクリプトを公開。以前より簡単にサーバを作成できるようになりました。
Twitterに似たユーザーインタフェースを持つマストドンですが、アカウントに鍵をかけたり、誰かのトゥートを引用してコメントをつけたりはできません。現時点では「退会機能」もありません。複数のインスタンスを使うヘビーな丼民は、スマホアプリ上でのマルチアカウントを切望したりもしています 。
また、他サービスを利用するときも同様ですが、ログイン用のパスワードは使い回しをせず、メールアドレスも専用の捨てアドレスを用意するのが安全です。誰もが個人でインスタンスを作れる分、ユーザー側の自衛も大切になってきます。
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