「マストドンが面白いらしいけど、どのインスタンスに入ればいいの?」という声をよく聞く。アニメ、漫画、音楽、スポーツなどジャンルが細分化しているので、自分の趣味に合ったインスタンスを探して、試してみるのがいいと思う。
だが、最初はどんなインスタンスがあるのかよく分からない人も多いだろう。というわけで、独断と偏見で個人的に気になるユニークなインスタンスをまとめてみた。
奈良といえばシカ。シカといえば奈良。そんな奈良を盛り上げるために作られたのが、「mastodon.nara.jp」(通称:鹿トドン)。
その特徴は、なんといってもシカになりきったユーザーたちがシカとして発言を続けるタイムラインだ。
インスタンスの管理人である吉村浩嗣さんも、4月に「僕の作った奈良県民のためのマストドン、情緒不安定な鹿以外にも色んな鹿が入って来た。人間全然おれへん助けて」と思わずツイート。
しかし、シカたちは奈良県の観光情報も投稿してくれるため、面白いだけでなくタメになる。シカだけでなく、たまに「モー」と鳴くヌーも現れるなど、動物が集まる(?)インスタンスになっている。
オタク女子が年齢、ジャンルを問わず気軽に会話できる場としてユーザー数をぐんぐん伸ばしているのが「otajodon.com」(おたじょどん)だ。otajodon管理人インタビューを掲載した4月27日時点では約1100人だったユーザーは、5月17日時点で1929人にまで増え、国内10位の人気インスタンスに。
管理人のアオヤギさんは、「同人サイトのチャットのような、ニコニコ生放送のコメント欄のような雰囲気」と言っていたが、人が増えた今でも牧歌的な空気感は変わっていない印象だ。
アニメのキャラクターになりきって会話したり、「人狼チャットルーム」や「ボイスチャットルーム」のURLを流して仲間を募集したりと、otajodon内での交流が活発なのも特徴だろう。
niconicoのドワンゴが開発したのが「friends.nico」。「ニコニコ形式」というタイムラインや、「いいね」に代わる「ニコる」機能などで独自色を出している。
マストドンを使いながらもニコニコ動画気分を味わえるニコニコ形式はどう使うのか。方法は簡単で、friends.nicoにログイン後、画面右にある「ニコニコ形式」をクリックするだけ。
コメントが流れるページに遷移し、投稿内容が右から左に流れていく。いちいちタイムラインをスクロールせずとも、みんなの投稿を眺められる。すでに文字サイズや色が変更された投稿もあり、まさにニコニコ動画の雰囲気をそのまま再現している。
friends.nicoを開発したまさらっきさん(@masarakki)は、「mstdn.jpがはやり始めた直後にこのニコニコ形式ビューワーは作られました」とトゥートしている。
先ほど紹介した鹿トドンを始め、地域向けインスタンスは複数存在する。中でもユニークなのが大阪弁、関西弁を推奨する「mstdn.osaka」。インスタンスのトップページにいるゾウはたこ焼きを食べているし、説明文も関西弁という気の入れようだ。
タイムラインの雰囲気は、トップページの「VR大阪丼」や「Nozokimidon」などで確認できる。「ねむいわ〜」など、日常生活の何気ない投稿がある中、時折シカの話題が混ざるのは関西圏ならではの現象か。
「ラジオを中心とした自由なコミュニケーションを楽しめる場」としてニッポン放送が提供するのが「tuner.1242.com」(通称:TUNER/チューナー)だ。
ラジオといえば、「何か別の作業をしている間に片手間で聴くもの」「1人部屋の中で静かに聴くもの」というイメージがあるが、その感想を誰かと共有したいと思う人は多いはずだ。
タイムラインは他局番組のファンも交えた、まったりとした雰囲気で進んでおり、ニッポン放送の古いネタを引っ張り出してくるアカウントも最近開設され、さらになごやかな感じになってきている。
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