大手ポータルサイトのExciteは6月27日正午、女性をターゲットにしたマストドンインスタンス「julika」(ユーリカ)をスタートした。3つの自社メディアと連動し、まずは2〜3万ユーザーの規模を目指す。
ママの子育てを支援する「Woman.excite」、10代から20代前半の女性向けに恋愛、ファッション、美容などの情報を発信する「ローリエプレス」、ライブやスポーツなどイベント情報を提供する「AMIPLE」の公式チャンネルを設けることで、女性が参加しやすいインスタンスにしたいという。
運営するエキサイトは1997年にスタートしたインターネット企業の老舗。これまでに幾つものソーシャルネットワーク立ち上げを経験している。そんな彼らがなぜ今、分散型SNSのマストドンに乗り出すのか、担当者に聞いてきた。
きっかけは、新興SNSを勉強するためのセミナー、マストドン会議への出席だった。「この熱気、1つの流れかもしれない。やるしかない」と考えた田中栄市郎さんは資料をまとめ、役員会に提出。田中さんはビジネス開発本部新規事業推進部部長を務めている。
SNSをゼロから作るのが大変だということは経験上分かっている。開発費や運営コストなどを心配する声もあったが、ゼロから作るよりははるかに安い。マストドンはオープンソースで他社の最新コードも利用でき、ピクシブにより負荷対策のコードも入ってきているからだ。
ではマストドンで何をやるか。
同社は女性向けだったり女性ユーザーが多いサービスを所有していることから、「まずは女性向け」と決まった。現在ユーザー数が上位のインスタンスで普通の女性がすんなり入っていけそうなところは皆無に近い。そこに存在価値はある。
そこで、同社のインスタンスはドイツ語圏の女性名を冠し、若い女性が1日の合間にその日の出来事を発信したり、自分の趣味を投稿する、というコンセプトにした。画面もデフォルトの黒っぽいものではなく、ピンクを基調にしている。女性に受け入れられるよう、ピンクの色にもこだわり抜いた。
ローリエプレス、Woman.exciteではTwitterと同じように記事を流し、フォローやいいねをしてくれた人とやりとりをする。メディアとコミュニティーを融合したものを作り上げていきたいという。ローリエのローリエガールズ、AMIPLEのアンバサダーにも声をかけて、活発化させていきたいと話している。
ある程度の規模になったら、そのテーマを切り出して適正な大きさの別のインスタンスを立ち上げることも検討。「日本でマストドンが普及していくこと」を目標に、「まずは活性化するようにコミュニケーションをとっていく」(田中さん)考えだ。
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