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浮遊する立体像が大きくリアルに マクセル、裸眼立体視ディスプレイ開発

» 2017年10月24日 21時33分 公開
[ITmedia]

 マクセルは10月24日、曲面スクリーンの上に立体像を表示する技術「Glasses-free 3D-Display」を発表した。特別なメガネなどを必要とせず、複数の人が同時に、異なる視点で立体像を見ることができるという。

 情報通信研究機構(NICT)ユニバーサルコミュニケーション研究所の裸眼立体視ディスプレイ「fVisiOn」(エフ・ビジョン)に、マクセルの光学技術と映像技術を組み合わせて発展させた。fVisiOnは、円すい状のスクリーンに複数のプロジェクターから映像を重ねて投影することで、スクリーン内にリアルな立体像を再生する技術。スクリーンの表面を微細な特殊形状にすることで、光線の拡散を制御する仕組みだ。

視点A、B、Cからの見え方

 マクセルが開発した光学系により、光線の密度はfVisiOnに比べて約3.5倍に向上。立体像の解像度を大幅に上げながら、立体像自体のサイズも大きくした。「浮遊感が向上し、よりリアルな立体像表示が可能になった」(マクセル)としている。

 マクセルはこの技術をデジタルサイネージや車載映像表示システムなどに応用する計画。28日から東京ビッグサイトで開催される「東京モーターショー2017」の日立グループグースに実機を参考出展する。なお、試作機では立体像の見え方を検討するため、視野角を50度に限定しているという。

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