「OK,Google、おはよう」と言うだけで窓のシャッターが開き、照明やエアコンが動き出す――。LIXIL(リクシル)が12月4日に発表したIoTサービスは、スマートスピーカーやスマートフォンを使い、家電製品やHEMS機器、そして同社が手掛ける建材、住宅設備機器までをトータルに操るシステムだ。名称は未公開(商標登録中)。2018年春にはハウスメーカーや工務店などと協力して提供を開始する。
リクシルが提案する「これからの住まい」。ユーザーインタフェースにスマートスピーカーを採用して導入のハードルを下げながら、窓のシャッターや電気錠、開閉センサー付きの玄関ドアなどを連携させて新しい利便性を生み出すという。例えば外出時に「OK,Google、いってきます」と言えば家中のエアコンや照明がオフ。子供が家に帰る時間には、玄関ドアの開閉をきっかけにカメラが連動し、親のスマホに動画付きのメールが届く。
「(ドアなどの)建材そのものをIoT化することで、ドアの開け閉めなど“普段の何気ない行動”をトリガーとして、複数のアクションを実行できる」(LIXILの常務役員 LIXIL Housing Technology Japan ZEH推進事業部長 野澤徳則氏)
宅内には各種家電を「エコーネットLite」(Wi-Fiなど)でつなぐ「ホームコントローラー」とセンサーネットワーク用の「リンクコントローラー」を設置。必要に応じて赤外線コントローラーなども追加できる。家電とセンサーの連携には、トリガーとアクションを設定する「アシストルール」というIFTTT(イフト)ライクな仕組みを用意する予定で、ユーザー自身がルールを設定することも可能にする。
一方の機器側は、電気錠と電動シャッターが既存製品を含めて対応しているほか、発売時には人感センサー、温湿度センサーなど4種類のセンサーを活用する「ホームセキュリティパック」など複数のパッケージを用意する。「初期費用は10万円程度から」(野澤氏)。スマートスピーカーは「Google Home」あるいは「Amazon Echo」を利用できるが、パッケージには含まれない(別売)。
今後はインテリアやサッシ周り、水回り、エクステリア(屋外設置機器)など対応製品を順次拡大するほか、「コネクティッドホーム アライアンス」を通じて家電メーカーや競合する住設機器メーカーとも協力していく考え。幅広い住設機器や建材をIoT化し、従来のホームオートメーションやホームセキュリティでは実現できなかった新しいサービスにも挑戦する。
「われわれの商品は幅広く、さまざまな応用が考えられる。例えば浴室ではヒートショックが原因で毎年1万9000人がなくなっている。仮に事故が起きたことをモーションセンサーなどで検知できれば、ブザーで家族に知らせながら浴槽の栓を抜き、少なくとも溺死を防ぐといった連携が可能になるだろう。生活における優先事項から開発を進めていく」(野沢氏)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR