業界の垣根を越えた77社の企業が参加する「コネクティッドホーム アライアンス」が9月14日、都内で設立総会を開催した。各業界のリーディングカンパニーが連携することで、生活者視点の「暮らしのIoT」サービスを生み出すという。
参加企業は、7月25日のアライアンス発足時で東急やパナソニックなど30社。9月14日の設立総会までに47社が加わり、より多彩な顔ぶれとなった。トヨタ自動車や日産自動車といった自動車メーカーから、TOTO、LIXIL、YKKAPなどの住宅設備メーカー、中部電力や大阪ガスといったインフラまで多岐に渡る。
あいさつに立った東京急行電鉄(東急)の市来利之常務は、「日本のIoTサービスは米国に比べると周回遅れ。企業がそれぞれ独自に動いていてはもったいない」と指摘する。「ユーザーにメーカーの違いは関係ない。メーカーを問わず、安心して使えることが大事だ」。東急グループはCATV局のイッツコミュニケーションズを通じてIoTサービス「インテリジェントホーム」を提供しており、今後のサービス拡充につながる実証実験や新たな需要の掘り起こしを狙う。
アドバイザーとしてアライアンスに参加する東京大学生産技術研究所の野城智也教授は、「暮らしのIoTは、生活空間にあるモノとモノがネットワークを介して有機的につながり、協調的に動くこと。ベッド、空調機、センサーはすべて別の企業が作っているが、それをスムーズにつないていくことがアライアンスの目的だ」と説明した。「IoTは『かゆいところに手が届くサービス』『サポートするための技術』。メーカーは良い物を作ったら終わり、ではない」(野城氏)
そのメーカーを代表する立場のパナソニック システムソリューションズ、奥村康彦専務は、「暮らしのIoTサービスを実現する上で、異業種のトップ企業との協力は不可欠。今回のアライアンスがきっかけになる」と期待を語る。さらに「パナソニックの各カンパニーを巻き込む。グループとして推進する」と約束した。
アライアンスでは11月に第1回のカンファレンスを開催するほか、研究会を立ち上げて分野ごとに掘り下げていく。研究会は、ビッグデータの分析と活用を進める「データ活用」、住宅を快適にする家電制御や見守り機能を検討する「住まい」、そして接続ポリシーやセキュリティ対策の「オープンシステム」の3つ。さらに分野を絞り込んだ分科会を設ける。メーカー間のコネクティビティーを検証するための実証実験も必要に応じて実施する予定だ。
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