若者に人気のSNS「Snapchat」を提供する米Snapのエヴァン・シュピーゲルCEOは5月29日(現地時間)、米Recodeの年次カンファレンス「Code Conference」に登壇し、聞き手のカーラ・スウィッシャー氏と約40分対談した。
この中でスウィッシャー氏の「Facebookについて話しましょう。あなたが創造したものを彼らはかなり大量に拝借している。どう感じているか話して」という質問に、「私より妻(モデルのミランダ・カー)の方が気にしている。うーん」と言いよどみながらも「いくら製品やミッションを変えても、基本的には企業のDNAを変えるのは難しいと思う。(中略)Snapchatの神髄をコピーするのは難しいだろう」と答えた。
Snapchatは複数のスナップをまとめ、24時間で消える「ストーリー」で知られるが、米Facebookはこの機能を傘下のInstagramに取り入れ、今では本家のSnapchatよりも人気を博している。
シュピーゲル氏は、2012年にFacebookがSnapchatに似たアプリ「Poke」をリリース(後に終了)した際、かつて米IBMがPC市場に参入した際の米Appleの新聞広告「Welcome, IBM. Seriously」を踏襲して、メディアに対し「Welcome, Facebook. Seriously」と語った。
スウィッシャー氏が、まねされることでプレッシャーを感じないのかと食い下がると、「はい。人々が自分のことを自由に表現するのを助けたいというSnapの企業としてのDNAに忠実であるだけだ。これからもわれわれが創造したイノベーションに追随する企業があるだろうが、それがこの業界というものだ。私がこれをどう感じているかといえば、デザイナーがとてもシンプルでエレガントなデザインを発表すれば、他者はそれをそのままコピーするしかない、ということだ。それはデザイナーにとって、最も素敵な勝利なんだ(ここで客席から拍手)」と答えた。
客席の賛同を受け、シュピーゲル氏はさらに、「彼らがわれわれのデータ保護のやり方も同じようにコピーしてくれればいいと思う」と語り、会場を沸かせた。
Facebookは現在、ユーザーデータの扱いについてのスキャンダルの渦中にある。
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