情報・システム研究機構国立遺伝学研究所と東京工業大学は7月19日、生命誕生や進化に関する最新の研究仮説を盛り込んだ動画「全地球史アトラス」の新シリーズをYouTubeに公開した。
全地球史アトラスでは、「地球誕生」を始めとして、時代に沿った各テーマをそれぞれ3〜6分間程度の動画で紹介する。今回新たに公開したのは、第7章「生命大進化の夜明け前」、第8章「カンブリア紀の生命大進化」、第9章「古生代」の3本。
例えば「カンブリア紀の生命大進化」では、多細胞生物の誕生や、エディアカラ動植物群の一斉出現と「大量絶滅」、超大陸ロディニアの大陸分裂に伴う、放射性元素に富んだマグマの噴火による突然変異「茎進化」や、分裂した大陸の再衝突する場での生物同士の交雑による「冠進化」を経てカンブリア紀生物の爆発的進化が起きたと説明。
生物の一斉出現や大量絶滅、茎進化、冠進化のいずれも、宇宙に結びついた地球環境の変化や、大陸の離合集散と密接に結びついていると解説する。
研究グループはこれまで生命の起源について研究してきたが、天文学、物理学、生物学、地質学、地球化学などの専門家が密に連携し進めてきた内容であるため、専門外の人にその内容を理解してもらうのは簡単ではなかった。
そこで、専門外の研究者や一般の人々に研究内容を分かりやすく伝えるべく、CG映像「全地球史アトラス」を作成。2015年から第1章の「地球誕生」の公開を始めた。
今後は、中生代、顕生代、さらに地球の未来まで映像化していく。研究グループは、「科学の持つ予言能力から導かれる地球の未来を描き、地球生命史全体をまとめあげる予定」としている。
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