前回記事では、はま寿司でPepperが有効活用されている理由や、ロボットと人間のコストパスフォーマンス比較などについて考えました。コストの問題は、Pepperに限らずAI(人工知能)でも考えなくてはいけません。
同じく前回記事の冒頭で触れたハロウィーンですが、AIと同じように右肩上がりでブームが続くのでしょうか? ここ数年ハロウィーンの市場規模は頭打ちですし、繁華街における騒動や散乱するごみが問題視されています。こうした「ブームに踊らされる日本人」については記事の最後であらためて考えたいと思います。
AIの話に戻りましょう。米調査会社ガートナーによると、AIは幻滅期に差し掛かっているようです。実際AIベンダーの立場としても「とりあえずAIをやりたい」的な問い合わせは減っている印象で、AIの導入効果を疑問視する声もあります。
自称“AI(人工知能)ベンチャーで働きながら、情報発信するマスクマン”こと、マスクド・アナライズさんが、AIをめぐる現状について、たっぷりの愛情とちょっぴり刺激的な毒を織り交ぜてお伝えします。Twitter:@maskedanl
(編集:ITmedia村上)
AI導入と称して見境なしに資金を投じた企業は数あれど、大半はPoC(Proof of Concept:概念実証、検証)止まりでした。それはこれまで考えなしにPepperを導入した企業とも重なります。ブームと共にショッピングセンターや銀行などさまざまな場所で導入されたPepperは、いまではほとんどその姿を消しています。
当初は珍しかったPepperも、導入先が2000社近くになればありふれた存在となり、希少性は失われます。企業によっては、Pepperはいまや倉庫の番人となっているかもしれません。
AIも同じく飽和状態であり、今やプレスリリースを出しても話題にはなりません。広報担当の話題作りが先行したAIでは、「以前導入したAIは何に使ってるの?」「うちの会社でAI製品発表したけど、どうなった?」的な、アニメに出てくるモブキャラ的な扱いです。
ではモブキャラ的な「AI導入」にならないためには、どうすればいいでしょう? まずはAIを生かせるかどうかを、十分に検討する必要があります。
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