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» 2019年02月12日 10時38分 公開

今こそ考える? ゴールド(金)投資の魅力渋谷豊の投資の教室(2/3 ページ)

[斎藤健二,ITmedia]

 ゴールドがどういう用途で使われているかも把握しておく必要があります。宝飾系が47%、個人投資が20%。公的保有といって準備金のような形で日銀やFRBが持っているものが16%で、加工品が15%という内訳になっています。時価総額でいうと約700兆円です。日本の株式時価総額が600兆円で、日本の個人金融資産が1800兆円なので、日本の個人が本気でゴールドを買い集めると全部持てるくらい。

 宝飾品が47%といいましたが、インドではゴールドを身に付けるという習慣があります。亡くなる時に薬指の指輪を長男に、中指を次男にとゴールドを相続金のように渡していったりします。ゴールドが一番信頼性があるから。こんなふうに使われるくらい、宝飾品といっても資産形成の一部、財産の確保として使う人も多いといわれています。インドに限らず、インドネシアやマレーシアなど、政権がコロコロ代わって国策が変わって通貨の価値が大きく変動するような国では、ゴールドを持つことで土地の価値や資産の価値が大きく下落したときも、資産を保ち続けられると考えます。

 私たちはあまりゴールドになじみがないんですが、ゴールドを金庫に入れている人も世界中には多いんです。政府が預金の50%を取り上げるなんてことは日本では考えにくいけど、国によっては可能性はゼロじゃないんですよ。ゴールドは政情不安な国での需要もあるんです。

ゴールドの価値が上がるのは、世間が不安定になるからではない

渋谷: もう一つ大事なことは、世の中が不安定になるとゴールドの価値が上がると思う人がいるんですが、これは一部正しく、一部正確性に欠けます。

 リーマンショックのときにゴールドが上がったかというと、それは違っていて、ゴールドの価格もいっしょに下がっているんです。では、いつ価格が上がったのか。みなさんも10年くらい前にゴールドの価格が上がったという記憶があると思います。

 あのときはインフレ期待があったので上がったんですね。リーマンショックの後に、FRBがお金をじゃんじゃんばらまいて、政策金利も引き下げて、日本も中国も世界中の国がお金をばらまいたとき、インフレになるんじゃないの? と思われて金利が上昇した時期がありました。インフレになったときに一番強いのはなにか? 土地かゴールドか? やっぱり一番はゴールドだよねということでゴールドの値段が上がった。

 ここで誤解しないでほしいのは、ゴールドは有事のリスクにだけ強いのではなく、インフレ(専門的には実質金利の低下)というリスクに強いわけです。これからインフレ期待が強く起こらない限り、ゴールドはあまり値動きしないのではないかと思います。

 でもこの先世界的な経済クラッシュが起こって、緩和的な金融政策をになり、インフレ期待や懸念が強くなるときにはゴールドの価値が上がる。インフレのときは持っている保有している資産の価値の多くは下がるので、その分はゴールドがカバーしてくれるわけです。

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