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» 2019年02月22日 13時38分 公開

「これ以上にない期待」 はやぶさ2「着陸後の画像」公開、表面物質を回収か

はやぶさ2が「リュウグウ」着陸後、上昇しながら撮影した画像を、JAXAが公開。はやぶさ2はリュウグウの表面に弾丸を撃ち込んでおり、飛び散ったかけらを回収できた可能性もある。

[片渕陽平,ITmedia]

 「本日、人類の手が新しい小さな星に届いた」――宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2月22日、探査機「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ」へのタッチダウン(最初の着陸)に成功したと発表した。JAXAの津田雄一プロジェクトマネジャーは同日、記者会見でそのように喜びを語った。着陸後、上昇しながら撮影した画像も公開。リュウグウの表面に金属の弾丸を撃ち込んでおり、飛び散ったかけらを回収できた可能性もある。

photo JAXAの津田雄一プロジェクトマネジャー=JAXAがYouTubeで実施したライブ配信より

「これ以上にない期待の高い情報だ」

 はやぶさ2は21日午後1時15分(日本時間)ごろ、リュウグウへの降下を開始。高度20キロから甲子園球場のマウンド(約6メートル四方)ほどの地点に着陸する――という厳しい条件に加え、降下開始時間が遅れるトラブルもあったが、高度5キロまでの降下速度を早めるなどし、当初の予定より40分ほど早い午前7時48分ごろ着陸に成功した。直後に上昇し、23日には高度20キロの地点に戻る計画だ。探査機に異常はないという。

 金属製の弾丸(プロジェクタイル)も発射し、表面物質を跳ね上げ、機体のコンテナに格納することも試みた。津田さんによれば、着陸前後の時間帯で、機体周辺の温度が上昇したことから、弾丸を正常に発射できたとみている。

 上昇直後、はやぶさ2の底面に付いている光学航法カメラ「ONC-W1」が捉えた画像も公開した。接地した正確な場所は読み取れないが、はやぶさ2の陰が映り込んでいる。中央の暗い部分は、着陸前後の噴射の痕跡とみられ、上昇中に砂粒を巻き上げている――と津田さんは分析。「予定通りの地点に着陸できたのではないか」と推定している。

photo はやぶさ2がタッチダウン後、上昇しながら撮影した画像=JAXAがYouTubeで実施したライブ配信より

 津田さんは「弾丸が発射されたこと、舞い上がる物質がリュウグウに実在することが分かったので、正常に発射できていれば、それなりの量のサンプルが(はやぶさ2)の機構に入っているだろう。これ以上にない期待の高い情報だ」と期待を寄せる。

 探査機の運用を統括したプロジェクトエンジニアの佐伯孝尚さん(JAXA宇宙科学研究所)は「非常に疲れた。ほっとしている」と安堵の表情を見せた。当初、タッチダウンは昨年10月下旬を予定していたが、はやぶさ2が投下した小型ローバ「MINERVA-II1」がリュウグウ表面を調べたところ、想定以上にでこぼこしていると分かり、無事に着陸させるため、スケジュールを再検討して慎重に挑戦する必要に迫られた。

 「到着前から仮想のリュウグウを作って訓練し、到着後はリュウグウ全体を観測した上で『L08』という地点に目を着け、岩の高さ、数まで調べた。そういったしつこさが成功に結び付いた。野心的なチームの一員として、こうした成功を体験できたことを誇らしく思う」(佐伯さん)

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