突然ですが、ビジネスの世界で「最も知名度が高いアルファベット」は4文字は何でしょうか。筆頭候補に挙がるのは「PDCA」だと思います(他候補として推したいのはNJPW・NOAH・CMLL・WWWFなど)。今日も日本の職場で回っているPDCAサイクルですが、念の為おさらいしておきましょう。
ご存じの通り、PDCAは実務において、Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Action(改善)というサイクルを回すこと。AIベンダーとしてさまざまな企業のAI導入を見てきましたが、「AI導入においてはPDCAサイクルはうまく回っていない」と感じています。
なぜ日本企業で実績のあるPDCAサイクルは、AI導入では通用しないのでしょうか。現実に即した“リアル”な視点で原因を探るべく、ビジネスの現場で陥りがちな失敗例に“ガチ”で迫ってみます。
例えば、情報収集と会議ばかりで計画がまとまらず、見切り発車でAIを導入。予算と時間を費やしただけで成果は出ず、チームは解散――なんて例が挙げられるでしょう。責任の所在だけがサイクルした結果、担当者の地位が本社から地方支社に転勤する「日本型ジョブローテーション」だけが実行されてしまっては目も当てられません。
これでは「お前はバカか?」とダミ声の芸人に怒られても反論できません。PDCAに代わる有効な技法を探ってみたいと思います。
自称“AI(人工知能)ベンチャーで働きながら、情報発信するマスクマン”こと、マスクド・アナライズさんが、AIをめぐる現状について、たっぷりの愛情とちょっぴり刺激的な毒を織り交ぜてお伝えします。Twitter:@maskedanl
(編集:ITmedia村上)
PDCAサイクル自体は有益な技法ですが、異なる分野における成功体験をAI導入にそのまま持ち込むのは“ヤバイ”のです。
世間では「デザイン思考」「リベラルアーツ」「シリコンバレー式」といった考えが注目されていますが、「大河ドラマ(戦国・幕末)」と「下町ロケット(など池井戸潤作品)」に心動かされる日本人が親しみやすい技法を学ぶべきでしょう。
もっと泥臭く実直で、時には格好悪いけれど、人の心を動かしてAI導入を成功させる技法は果たしてあるのでしょうか。私は、日本人が長く親しんだとある“伝統芸能”にヒントがあると思っています。PDCAの代わりということで、「DGWAサイクル」と名付けてみました。
まずは、DGWAを繰り返し声に出してみてください。何かに気付くはずです。
「ディージーダブリューエー」「デージーダブーエー」「デーガーダーエー」「デーガーワー」……。
そう、日本の伝統芸能である「リアクション芸」の第一人者「出川哲朗」さんにAI導入のヒントが隠されていたのです。読者の皆さんにブラウザを閉じられないためにAI導入を成功させるポイントをしっかりと解説するので、もう少しお付き合いください。
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