上層部、中間管理職、同僚、部下などはどんな反応をしたでしょう。冷たい反応しかなければプロジェクトは中止される可能性もあるので、原因を探って改善する必要があります。
これはかつて「抱かれたくない男ランキング1位」になった出川さんの“冬の時代”と重なります。出川さんはリアクション芸で挑戦と工夫を繰り返したおかげで、「ザリガニは相方」「鼻水はリアクション芸人のダイヤモンド」という名言が生まれたのです。
この段階で必要なもう一つの「A」が「ありがとう」です。AI導入の成功には、当事者の努力だけでなく、計画を承認してくれた会社、協力してくれた現場、仕事に理解を示してくれる家族など、協力してくれた方々への感謝が重要です。
出川さんは「抱かれたくないタレント1位」を経て、いまは“愛され芸人”になっています。なぜ視聴者に嫌われる出川さんが途切れることなくテレビに出演できたのでしょうか。その裏には番組スタッフや共演者など周囲への気遣いと感謝があったのでしょう。
出川さんは現場で率先してあいさつして新人スタッフにも丁寧に接し、電気スクーターで日本を周る番組「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」では、全国各地で写真や握手を求めるファンと積極的に交流しています。
体を張った「リアクション」と周囲への「ありがとう」による2つの「A」を積み重ねて、競争の厳しいテレビの世界で活躍してきました。AI導入でも、こうして社内に理解者を増やしていきましょう。
こうして出川(DGWA)サイクルを回し続けて、自社だけのノウハウが蓄積することでAI導入の道が開けてきます。失敗したら別のやり方を試したり、他にAIが生かせる業務を探すもよし、成功すれば他業務でもAIを導入し広報からアピールしてもいいでしょう。こうした継続的な取り組みは、現場主導で推し進めれば実現できるはずです。
出川さんは役者としてデビュー後、売れない時期をウッチャンナンチャンなどの芸人仲間と乗り越えてさまざまなバラエティー番組で活躍しながら、現在のような“愛され芸人”になりました。周囲への配慮を欠かさず、挑戦を続けてきたのです。
AI導入も同じように最初からうまくはいきませんし、定着させて効果が出るまで長く困難な道のりが待っています。AIは人間の仕事を奪うと思われがちですが、AIは人間を支える存在です。細かい仕事や面倒な作業でも愚直に取り組めば、AI導入に全社で取り組む体制ができるでしょう。
私はこれまで「入念な計画や準備を進めているが、AI導入がうまくいかない」という会社を、数多く見てきました。そんな課題を抱える会社にはDGWAサイクルは有効だと思っています。
しかし、「リアクション芸人とAI導入をこじつけていいのか」と半信半疑な人もいることでしょう。それでも私は敬愛する出川さんのように、大事なところでは噛まずに独特すぎる表現でこう言います。「リアルガチ」と。
AIベンチャーのABEJA様が主催するイベント「ABEJA SIX 2019」で「徹底討論 : AI導入・運用を加速せよ、40分一本勝負!」と題し、同社の岡田陽介社長とのトークセッションに登壇いたします。エンジニアと会社が一丸となって、AIによる業務改善を実行するには何をすべきか? 理想に流されがちなAI論において、現場と現実を知る2人による発言の真意とは何か。お勉強と導入事例と社内調整ばかりの組織を変え、AIの実装をさらに加速すべく、本音で徹底討論します。
日時:2019年3月4日(月) 17時20分〜18時
主催:株式会社ABEJA
場所:グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール(東京都港区高輪3-13-1)
参加費:無料
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