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AI導入はPDCAから“DGWA”サイクルへマスクド・アナライズのAIベンチャー場外乱闘!(3/4 ページ)

» 2019年02月26日 07時00分 公開

Wは「Warm Mind(周囲の温かい協力)」

 3番目の「W」は、周囲の温かい協力を意味する「Warm Mind」です。AI導入では相応の予算や人員が割かれるため、担当者にはプレッシャーや責任が生じますし、社内の風当たりも強くなります。他部門へのデータ収集や作業依頼、部門間の調整も増えて、「忙しい中で協力したのに成果が出ないとは何事だ」など反発も出てくるでしょう。

 仕事である以上、失敗ばかりでは許されませんが、サイクルの「G(Go for Broke)」では失敗を避けられません。失敗に萎縮して挑戦や新しいことが出来なくなっては本末転倒ですし、周囲が失敗を必要以上に非難して計画をつぶしてはいけません。

 失敗を繰り返してでもAI導入に挑戦しなければ、いつまでも人間による手作業から脱却できません。現場の協力、上層部の理解、失敗を許容する環境がなければ、担当者は身動きがとれないでしょう。

 そもそもAI導入は成功事例1件に対して、表に出ない失敗が10件ある世界です。投資した結果がすぐに出てくるものではないので、周囲の温かい協力が必要という意味で「Warm Mind」を提唱します。

 出川さんの話に切り替えてみましょう。出川さんは「大事なところで噛む」という致命的な欠点がありますが、視聴者や共演者は「出川だからしょうがない」「これだから出川は」と笑って許す空気があります。

 ここで噛むことやスベることに躊躇(ちゅうちょ)しては、芸人として何も出来ないままです。こうした空気の醸成には、出川さんのキャラクター性も大いに関係しているでしょう。出川さんは独特すぎる英語表現の「出川イングリッシュ」を用い、ジェスチャーを交えて外国人と交流します。相手へ丁寧に接することで、つたない英語でも外国人は温かく接してくれます。

 会社でも新たな計画を進めるには周囲とのコミュニケーションが不可欠で、AI導入では人間関係の構築が重要です。同じ会社でも部門が違えば赤の他人かもしれませんし、「自分たちにAIは関係ない」と思われてはうまくいきません。そんなときは腰を低くして丁寧に接し、お互いが協力しあえる雰囲気作りを意識しましょう。

 失敗を許容せず、必要以上に間違いを恐れる企業もありますが、人間が失敗するのは当たり前です。挑戦しやすい環境作りに出川さんの「Warm mind」は欠かせません

Aは「Reaction(反応)」

 出川サイクルの最後を飾る「A」は、もちろん「Re“A”ction(リアクション・反応)」です。若干変則的ですが、出川さんを語る上で「リアクション」は外せません。

 AI導入のために「Do(実行)」して「Go for Broke(当たって砕けろ)」で試行錯誤し、「Warm Mind」で周囲の協力を取り付けてきました。ここまで進めれば、良くも悪くも何らかの反応が出てきます。

 AI導入計画においては、会社全体からの「ReAction(リアクション・反応)」が重要です。

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