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「よくできている=売れるゲーム」ではない スマホゲーム“基本プレイ無料”の難しさ(3/3 ページ)

» 2019年03月22日 15時44分 公開
[村上万純ITmedia]
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「ポケモンGO」でお金を使う理由

 同じ位置情報ゲームとしてメジャーなスマートフォンゲーム「Pokemon GO」(ポケモンGO)の場合はどうだろうか。ポケモンは世界的に有名なIP(知的財産)で、かつユーザー数も全く違うので一概に比較はできないものの、同じ位置情報ゲームとしてポケモンGOがどのようにお金を使う仕組みをゲーム内に取り入れているのかは気になるところだ。

テクテク 「Pokemon GO」のゲーム画面

 ポケモンGOも無課金で十分遊べる。課金ポイントは、持てる道具の上限を増やす「バッグアップグレード」(リュック)や、ポケモンのタマゴをかえす「ふかそうち」、レイドバトルへの参加券である「レイドパス」など。ポケモンGOはシンプルに「ポケモンをゲットし、育て、戦わせる」ゲーム。これらの作業を時短したり、付加価値の高い体験をしたりするためにユーザーは課金する。ゲームを遊ぶサイクルの中にお金を使う要素が自然に組み込まれているように思える。

課金をためらう心理

 テクテクテクテクの話に戻ろう。今回は撤退を余儀なくされたが、公式サイトではプロデューサーの中村光一さんが「いつの日かテクテクを復活できるよう頑張ろうと思っております」とコメントした。

 テクテクテクテクは、「かまいたちの夜」「街」「不思議のダンジョン」シリーズなどで知られる中村さんと麻野一哉さんがタッグを組んだ肝いりのタイトル。2人とも「ドラゴンクエスト」シリーズの開発にも携わっており、テクテクテクテクも“古き良き時代のRPG”をほうふつとさせる遊び心が随所に見られた。

 塗りつぶしたマップが“ファンタジー化”(花が咲いたり、草木が生えたりする)するという独特な世界観に、どこか憎めない愛らしい敵モンスター。また、公式サイトなどでは触れられていないが、格下のモンスターとの戦闘の際に、スマートフォンを傾けると敵を一撃で倒せるという小技などもあったりする。今後もこうした「ゲーマー心をくすぐる遊び心」が見られると思っていただけに残念である。

テクテク 格下の相手を素早く倒せる時短テクニックはRPG好きにはうれしい機能

 毎日遊んでいたゲームが突然終了することは、他のタイトルでも十分にあり得ることだ。ゲーム体験に費やした時間は良い思い出になるが、毎日コツコツ課金していた人は納得できない部分もあるだろう。F2Pのスマホゲームはいつ終わるか分からない怖さがあり、課金することにためらいを感じることもある。

 新生テクテクテクテクの復活に期待したい。

テクテクテクテクの思い出。小林幸子さん(左)と「新世紀エヴァンゲリオン」に登場する使徒(右)
マンホールのふたをかぶった、その名も「マンホールダンディ」(左)。年末年始イベントで登場した「ミカン・オン・ザ・餅」(右)
クリスマスっぽい装いをするキリンこと「ジングルベルーン」(左)。いつもよだれが出ているサンタ姿の「サーたん」(右)
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