資産運用の王道といえば不動産です。前回のお話で、その特徴は、銀行からの借入、つまり借金をすることで利益を増幅させる点にあることを聞きました。でも借金は怖くありませんか?
「お金の教養」を身につけることを目指した総合マネースクール、ファイナンシャルアカデミーで不動産授業を担当する束田光陽先生に、不動産投資について聞きました。今回は借金に対する考え方。聞き手は編集部サイトウ。
サイトウ: 株も怖いといいますが、借金するのはもっと怖いといいますよね。そこはどんなふうに考えたらいいんでしょう?
では借金はなぜ怖いんでしょう? 借金を返せなくなったら怖い、というのは2つのパターンがあると思うんです。1つは毎月の返済。家賃収入とローン返済のバランスの問題。家賃収入よりもローン返済額が大きくなって逆転するとローンが返せないですね。
もう1つのパターンはなんでしょう?
サイトウ: 持っているものを売ってもローンが返しきれない場合?
そのとおりです。売却したら――ということなんですが、5000万円のローンがあったとしても、ローンとバランスするかたちで不動産が売却できたら、ぜんぜん怖くないはずですね。この2つがちゃんと分かっているかにかかっています。
両方分かっていたら、借金は何億円あっても怖くないはずです。
サイトウ: 車を買うのとは違うということですね。
安心してローンを返済していくための一つのやり方として、家賃とローンの返済を2分の1にしておくという方法があります。家賃収入が100万円で、ローンの返済50万円だったら、それは恐ろしいことでしょうか? 家賃は減るかもしれませんが、半額まで減るでしょうか? 多少下がるかもしれませんが、半額にはならなそうですね。家賃が半額になったら激安すぎると思いませんか。だれかが必ず借りてくれますよね。
かつローンの返済額も、固定金利を選ぶと固定期間中はローンの返済額が変わらなくなるんですね。家賃は半額にならないだろうし、ローン返済は固定されていますから、この2分の1の比率が逆転する可能性はほとんど消えてきます。このように、理屈を積み上げていけば大丈夫だろうということが分かると思います。
サイトウ: 借金をすることでインカムゲインを倍増させていく、そのためには借金をしなくてはいけない。その中で、家賃収入がローン返済を必ず上回っていることは考えておけ、ということですね。そうすれば長期にわたるローンでも返済は安心だと。でも、束田さんが30年ではなく、5年10年くらいで考えておけとブログで買いていましたが、どういう趣旨だったのでしょうか?
5000万円のローンが30年返済だとします。でも実際のところ、30年後の日本がどうなっているか分からないと思うんです。少子高齢化とか大地震とか。でも5年後だったら、たぶんそんなに世の中は大きく変わらないし、普通に生活できているよね、と予想できますね。
5年とか10年という短期間で、ある程度安全圏に入っておく。たとえば投資したお金を取り戻しておくとか、絶対セーフティゾーンに入っていれば怖くないよね、と。投資は30年かもしれないけど、回収は短期間で終えるという気持ちを持ったほうがいい、ということです。
「30年間ローン返済している間はずっと赤字です。でも30年で完済すればそこから先はもうかりますから、30年後の年金づくりのために赤字を受け入れましょう」というセールストークをされる不動産業者さんがたいへん多いのが実情です。
でも30年後、日本がどうなっているか分からないので、30年間ずっと赤字というのはシナリオとしては受け入れづらいですよね?短期で回収できる方法を考えましょう。
短期間に回収をどう考えるかというと、2つのパターンがあります。
ファイナンシャルアカデミー認定講師。受講生による講義の満足度評価が5点満点中平均4.9点というナンバーワン講師。大手企業でサラリーマン生活を送るも将来に不安を感じ26歳で不動産投資を開始。現在までに通算25件の物件を購入し、総資産は5億円、年間家賃収入は4000万円。自身の豊富な経験に加え、1万人以上の生徒を教えた経験をもとにした講義は抜群の説得力。落語好きで「束田講師の落語のような話を聞くために通っている」という受講生もいるほど。担当講義は不動産投資スクールのほか、中上級者向けフィールドワークゼミなど。(ファイナンシャルアカデミー 不動産投資スクール)
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