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» 2019年05月08日 07時00分 公開

マスクド・アナライズのAIベンチャー場外乱闘!:「アベンジャーズ型」のデータ分析組織がうまくいかない理由 (1/3)

自社でデータ分析組織を立ち上げる企業が増えているが、なかなかうまくいかないという声も多い。日本企業が目指すべき組織の在り方とは?

[マスクド・アナライズ,ITmedia]

 長い10連休が終わり、中には憂鬱(ゆううつ)な気分で仕事をしている方もいるかもしれません。実はこの原稿の締め切りは4月26日の連休前。話題の映画「アベンジャーズ/エンドゲーム」を見に行くのを楽しみにしながら原稿を納品しました。

 しかし現実は非情なもので、連休明けから他社のデータ分析組織立ち上げ支援の準備をしなければなりません。最近は「自社でデータ分析組織を立ち上げたいが、やり方が分からないので手伝ってほしい」というような依頼が増えてきました。

 分析業務を丸ごと外注するよりもコストが低くスピード感もあり、「弊社はデータ分析組織を持つ先進的な会社です」とドヤれるので、IRや広報、採用などでの利点もあるでしょう。ところが下心全開でデータ分析組織を立ち上げて失敗した事例は多く、成果といえば、実話系雑誌に掲載されている“幸運を呼ぶブレスレット”並みだったりします。

 なぜ、こんな結末になってしまうのでしょうか。

連載:マスクド・アナライズのAIベンチャー場外乱闘!

マスク

自称“AI(人工知能)ベンチャーで働きながら、情報発信するマスクマン”こと、マスクド・アナライズさんが、AIをめぐる現状について、たっぷりの愛情とちょっぴり刺激的な毒を織り交ぜてお伝えします。Twitter:@maskedanl

(編集:ITmedia村上)


「スーパーヒーロー」を集めても組織が回らない理由

 トップダウンで優秀なデータサイエンティストを数多く集めるものの、現場の担当者と協調できずに対立したり、自分のやりたい研究ばかりに取り組んだり、短期間で目立った成果が出なかったり、社内政治に巻き込まれて自由に動けなかったりと、社内分析組織の立ち上げ後に次々と問題が露呈します。

 こうしてデータ分析組織に問題が起きれば、空中分解や仲間割れによって、最悪解散に至ります。こうした問題は、業績が落ちこんだ歴史と伝統、年功序列、現場主義、前例踏襲主義のある大企業に、外部から招聘した外資系出身の社長が就任したりすると高確率で発生します。既存の仕組みに合わない新組織では、いくら優秀な人材を集めてもバッドエンドは避けられません。

 優秀な人材を集めても組織として力を発揮できないという問題は、データ分析組織に限らずさまざまな形で存在しています。一方で、優秀な人材(ここではデータサイエンティスト)はみんなが憧れる存在でもあり、脅威に立ち向かって会社の危機を救う、さながら“スーパーヒーロー”とも呼べるでしょう。

 会社と地球という規模の違いはあれど、直面する困難に立ちむかう姿はまさにヒーロー映画そのものであり、冒頭で紹介した「アベンジャーズ」のようです(ディズニーやマーベルから宣伝費はもらってません)。

 実はデータ分析組織とアベンジャーズには、共通点が意外に多いのです。

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