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エンジニア以外も「AIの仕組み」を学ぶべき理由 機械学習とディープラーニングの違いは?よくわかる人工知能の基礎知識(4/4 ページ)

» 2019年05月09日 07時00分 公開
[小林啓倫ITmedia]
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なぜ「AIの仕組み」を学ぶべきなのか

 簡単に機械学習とディープラーニングの違いを整理してみたが、実際にこれらの仕組みを使って商用のAIアプリケーションを開発するには、もっと詳細で高度な知識が必要になる。直接開発に携わるという人も決して多くはないだろう。

 では開発者でなければ、AIがどのような仕組みで実現されるのか、理解する必要はないのだろうか。この問いに「YES」と答える人は少なくないのだが、残念ながらそんなことはない。

 この記事における解説はごく簡単なものだったが、「AIは1回作って終わりではない」「AIにどのようなデータを与えるかで成果は大きく変わる」といわれることの意味を少しはお伝えできたのではないかと思う。

 少なくともAIアプリの開発は、ERP(基幹系情報システム)やCRM(顧客関係管理)といった従来のシステム導入とは毛色が違ったものになりそうだと分かっていただけただろう。

 しかしこうした特徴をトップが理解せず、関連プロジェクトに継続的な予算や、適切で十分なデータが与えられないというケースが多い。エンジニアに求められるような高度な知識は必要ないが、AIをビジネスで活用したいなら経営者も最低限の知識は身に付けておくべきだ。

 今後もAI関連技術は進化が続いてより複雑で高度な仕組みが登場し、ビジネスにおける応用範囲も広がるだろう。目まぐるしく進化する技術のトレンドを網羅するのは大変だが、少なくとも基本的な内容を理解しておくことは、ビジネスに携わる全ての人々に必要になるはずだ。

著者プロフィール:小林啓倫(こばやし あきひと)

経営コンサルタント。1973年東京都生まれ、獨協大学外国語学部卒、筑波大学大学院地域研究研究科修士課程修了。システムエンジニアとしてキャリアを積んだ後、米Babson CollegeにてMBAを取得。その後外資系コンサルティングファーム、国内ベンチャー企業などで活動。著書に『FinTechが変える! 金融×テクノロジーが生み出す新たなビジネス』(朝日新聞出版)、『IoTビジネスモデル革命』(朝日新聞出版)、訳書に『テトリス・エフェクト 世界を惑わせたゲーム』(ダン・アッカーマン著、白揚社)、『シンギュラリティ大学が教える 飛躍する方法』(サリム・イスマイル著、日経BP社)など多数。


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