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「生き残れるデータサイエンティスト」になるために必要な習慣とは?(1/2 ページ)

» 2019年06月19日 05時00分 公開
[濱口翔太郎ITmedia]

 企業が持つビッグデータを分析し、サービス改善やマーケティングなどに役立てる「データサイエンティスト」の需要が高まっている。業界を問わず争奪戦が過熱しており、高いスキルを持つ人に高額な給与を払う企業もある。だが、AIベンチャーで働きながら執筆活動などを行うマスクド・アナライズさんは、データサイエンティストとして活躍中の人でも、努力を怠った場合はスキルが陳腐化してしまい、苦しむことになると指摘する。

 そんな環境でデータサイエンティストとして生き残っていくには、どんなスキルや心構えが必要なのか。SAS Institute Japanが6月11日に開いた年次カンファレンス「SAS FORUM JAPAN 2019」のセッションに、マスクドさんが登壇。この職業を目指す学生に向けて、生き残るために必要な習慣について語った。

photo AIベンチャーで働きながら執筆活動などを行うマスクド・アナライズさん

学びを怠ると、5〜10年後に生き残れなくなる

 マスクドさんは、本職ではコンサルタントや営業担当として、製造業やSIerにデータ分析ツールなどの導入支援をしており、IT業界の動向に詳しい。「会社にバレると面倒」との理由で、マスク姿で講演や執筆活動も行っている。Twitterでは業界の問題点を指摘する投稿などで注目を集め、約1万800人のフォロワーを獲得している。

 講演に出ることを勤務先に知られないよう、有給休暇を取って会場入りしたというマスクドさんは、当日も白と水色のマスクを被って登場。開口一番、学生に対して「なぜ、大手企業の社員に交じって、私のようなあやしい人間がセッションに登壇できたと思いますか?」と問い掛け、次のように続けた。

 「普通に考えたら『オファーが来たから』という答えになる。でも、データサイエンティストを目指す人がそんな答えでいいんですか? 皆さんが目指しているのは、『なぜ』という疑問を基にデータを分析し、理由を見いだす職業です」

 データサイエンティストを目指す上では、疑問がわいた時にそのままにせず、すぐに最新の情報を調べ、理由や背景を考える習慣を付けるべきだ――と説くマスクドさん。これが身に付かないと、就職に成功した場合でも、将来的に苦しむことになると指摘する。

 「データサイエンティストは、今は“21世紀で一番セクシーな職業”とされています。でも(努力を怠ったまま)5〜10年たてば、スキルや知識が役に立たなくなり、『なぜこんな人を雇ったのか?』と周囲から批判される“窓際族”になるかもしれません」

 こうした事態を避けるためには、最新の情報やスキルを学び続ける習慣や、理解した知識に付加価値をつけ、第三者に向けてアウトプットする習慣をつけることも重要だという。

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