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“ハリポタGO”とポケモンGOは何が違う? 「ハリー・ポッター:魔法同盟」公開直前レビュー(3/5 ページ)

» 2019年06月21日 19時30分 公開
[井上輝一ITmedia]

「グリフハック」のようになぞることで発動する呪文

 魔法同盟でファウンダブルを回収したり悪い魔法使いと戦ったりするためには、「呪文」が必要になる。

 バトルでは、画面に現れた軌跡を指でなぞることで呪文を発動できる。

ハグリッドがファウンダブル扱いになっている。呪文で網を外してあげようハグリッドがファウンダブル扱いになっている。呪文で網を外してあげよう ハグリッドがファウンダブル扱いになっている。呪文で網を外してあげよう
呪文のエフェクト

 指で図形をなぞるという動作は、Ingressを遊んだことのあるユーザーであれば、アイテムのボーナスを得られる「グリフハック」を思い出すのではないだろうか。

Ingressの「グリフハック」

 グリフハックでは描いた図形の正誤と描いた速度が、獲得ボーナスを左右した。

 魔法同盟では、描いた呪文に対し「まずまず」「グッド!」などの評価が得られる。描く速度が遅すぎると呪文が却下され、もう一度描かなくてはならなくなる。これらの評価がおそらく獲得ポイントや敵に与えるダメージに影響すると思われるが、体験プレイでそこまでは確認できなかった。

実用的になったARバトル

 Pokemon GOが2016年の公開当初から爆発的な人気を誇り、「今では約10億ダウンロードに至る」(※)までユーザーを獲得した要因の一つは、「スマホのカメラ越しに現実世界にポケモンが現れるAR機能」だろう。

※6月18日の魔法同盟スペシャルイベントで米Nianticのジョン・ハンケCEOが発言

 このAR機能を用い、手のひらにピカチュウを載せるなど、各プレイヤーが思い思いのAR写真を撮影して楽しんでいるが、一方でPokemon GOのARは日常使いしにくいという欠点があった。

ポケモンを手のひらに載せたりして遊べる

 ポケモンをゲットする際にARをオンにしていると、モンスターボールをポケモンに当てるのが比較的難しい。ARをオフにしていれば、常に画面正面にポケモンが出現するため、ポケモンのゲットを目的とするならARをオフにしている方が都合がいい。

 この問題を、魔法同盟では改善したようだ。

 魔法同盟でARをオンにしてバトル画面に進むと、カメラで現実世界の周囲の様子を映しながらターゲットに照準を合わせるという操作をする。

目標をセンターに入れてタップすると、背景の写真が固定され、呪文を唱えるバトル画面に入る目標をセンターに入れてタップすると、背景の写真が固定され、呪文を唱えるバトル画面に入る 目標をセンターに入れてタップすると、背景の写真が固定され、呪文を唱えるバトル画面に入る

 照準を合わせてタップで確定すると、呪文を唱えるバトル画面に入る。この時スマホは写真を撮影し、バトル画面で用いる背景に設定するため、スマホを動かしてもファウンダブルや敵の位置がずれるといったことが起きない

 ARオフの際に比べて「照準を合わせる」という工程が1つ多くはなってしまうが、ARオフ時の操作性を維持しながらARオン時の臨場感を味わえる解決策だといえる。

 もっとも、Pokemon GOでも17年末から「AR+」という拡張したAR機能をiOS向けに実装した(18年から一部Android端末でも対応)。AR+では現実世界のある位置にポケモンが固定されるため、ポケモンに近づいてボールを当てるなど、捕まえやすくなっている面もある。AR活用とゲーム性について、Nianticは各ゲームで違う方面からアプローチを考えているようだ。

声優による音声多言語対応

 デモバージョンではすでに日本語に対応しており、チュートリアルに出てくるハリーやハーマイオニーの声は映画の吹き替えを担当している小野賢章さんや須藤祐実さんらが声を当てている。

 このローカライズは日本に限ったものではなく、対応する各言語で行うとしている。各言語向けに声を当てる理由について、Nianticは「シリーズ原作者のJ・K・ローリングさんの、『ハリー・ポッターワールドとして平等な体験を届けたい』という意向がある」と明かした。

 デモバージョンの時点でもすでに英語、日本語、中国語、ロシア語など15カ国語に対応しているが、「より多くの言語に対応していきたい」(同社)としている。

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