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「クラウドは大都市だけのものではない」――関西初のAWS Summit、社長が「西日本への注力」強調(1/2 ページ)

» 2019年07月01日 05時00分 公開
[濱口翔太郎ITmedia]

 アマゾン ウェブ サービス ジャパンは6月27日、年次カンファレンス「AWS Summit Osaka 2019」を大阪・梅田で開催した。関西でAWS Summitを開くのは初めて。他地域で開く場合と同じく、コンセプトは「クラウドテクノロジーの学びの場」だ。3000人超が参加登録し、導入事例などを解説するセッションには西日本の企業が多数登壇した。

 基調講演に登場した長崎忠雄社長は、AWS Summit Tokyoの基調講演と同じく、AWSがグローバルのパブリッククラウド市場で首位となる51.8%のシェアを獲得していること、2019年度第1四半期時点で年間収益見込みが308億ドル(約3.3兆円)に達していること、世界各国に21のリージョンを展開していること――といった実績を紹介。

 「AWSは18年に1957個、過去3年間で計4000個以上の機能拡張を行った。これだけのスピードで機能拡張している事業者は他にない。(われわれは)毎日ユーザーと対話し、1人の声から生まれたサービスを世界数百万ユーザーに届ける体制を持っている」と競合優位性をあらためて示した。

photo アマゾン ウェブ サービス ジャパンの長崎忠雄社長

 また長崎社長は、AWSを活用して大きく成長した国外のスタートアップを列挙し、「Airbnb、Pinterest、Lyft、Uber、Slackが世界に大きく羽ばたいた」と語った。「(大手企業では)Goldman SachsやFoxも導入している。教育機関には9000、公共機関には5000の顧客がいる」という。

 日本のユーザー企業の代表例としては、メルカリ、Sansan、Preferred Networks、三菱UFJ銀行、キヤノン、AGCなどを紹介し、「あらゆる業界のさまざまなワークロードがAWSで構築されている」と自信を見せた。

クラウドは大都市・大企業だけのものではない

 大阪開催であることから、長崎社長は「クラウドが今までのITと決定的に違うのは、いつでも誰でも好きな時に立ち上げられること。大都市・大企業だけのものではない。現在も(AWSは)47都道府県に広がっている」とし、西日本の顧客支援も強化する方針を示した。

 関西では現在、大阪ガスが家庭用燃料電池「エネファーム」のIoTシステムにAWSを採用するなど、パブリッククラウドへの関心が高まっている。この他、近畿大学は日本の大学として初めて、全システムのAWS移行を進めている。毎日放送は定額制動画配信サービスの基盤に、「AWS Lambda」を使ったサーバレスコンピューティングを取り入れている。

 西日本の企業のクラウド移行をさらに推進するため、AWSは大阪での人材採用を強化中だ。10月には大阪オフィスを拡張する計画もあり、「セミナーやイベントを加速させ、地に足のついた活動を展開したい」という。

photo AWSを活用している国内企業の例
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